3月18日(水)、翌19日に東京公演の開幕を控えた舞台『砂の女』の取材会が行われ、脚本・演出の山西竜矢、主演の森田剛、藤間爽子が登壇した。安部公房の不朽の名作を現代の舞台表現で再構築する本作は、俳優陣の身体性を生かした演技と、“砂”をめぐる独創的な演出によって、極限状態に置かれた人間の孤独と欲望を浮かび上がらせる。原作の持つ力強さと現代性が交差する、濃密な舞台となりそうだ。 オファーを受けた印象を問われ、森田は「映画が好きで、もともとこの作品は知っていました。山西さんから『砂の女』をやりたいと聞き、若い演出家でありながら映画も舞台も手がけている方ということで、とても興味がありました。ぜひ、という形でお受けしました」と前向きに語った。 一方、藤間は「山西さんとも豪さんとも今回が初めてでしたが、私にとってこの作品は挑戦になると思い、お引き受けしました。ただ、稽古を重ねるうちにやはり大変な役だと感じ、苦労しながら明日の初日を迎えます」と心境を明かした。 また、脚本執筆にあたって工夫した点を問われた山西は、自身が安部公房のファンであることに触れつつ、「忠実にやりたい気持ちはありましたが、小説や映画の世界をそのまま舞台で表現することはできません。実際に砂があるわけではないので、それをどう見せるかを意識しながら書きました」と語った。 稽古について聞かれた藤間は、「みなさん優しい方ばかりで、穏やかな稽古場でした。限られた空間の中で砂の世界観をどう創り上げるか、意見を積み重ねながら輪郭が見えてきた感覚です。立体的に立ち上がってきたと思います」と振り返り、「最初はパニックになりながら稽古していました」と当時を明かした。 初共演となる藤間の印象を問われた森田は、「しっかり者でかっこいいですね。砂を掻いている姿を見ても、腰が強いな、負けるなと思いました。体幹が尋常じゃない」と笑顔を交えながら語った。 一方、藤間は森田について「すごく芯がある方ですが、面白いところがたくさんあってチャーミングです。一見怖そうに見えるけれど、穏やかで面白いことが好きな方だなと思いました。お芝居も素晴らしく、引っ張っていってくれる頼もしい座長です」と称賛した。 舞台の見どころを問われた山西は、「豪さんや藤間さんをはじめ、ほかの4名のキャストも非常に素晴らしい方々なので、まずは役者の演技とパフォーマンスに注目していただきたいです。また、“砂”をどう表現するかという点にもいくつか仕掛けがあり、そこも見どころのひとつです」と語る。 さらに「一番見逃してほしくないのは、安部公房作品の持つ力強さや強烈さを、僕たちなりに再現できているのではないかという点です。原作と現代が結びつく、その瞬間を感じていただけたら」と作品への手応えをにじませた。 ストーリー 教師の男・仁木順平(森田剛)は夏に休暇を取り、昆虫採集のために海際の砂丘に赴いた。そこには、一風変わった村があった。家々がまるで蟻地獄の巣のように、砂丘に深く掘られた穴の中に建っており、どれもこれも今にも砂に埋もれてしまいそうなのだ。変わった村もあるものだと思いながら、男は村の老人に勧められ、そのうちの一軒に泊まることに決めた。家の中では、断続的に降り注ぐ砂に家が埋まってしまわないよう、家主の女(藤間爽子)がひとりせっせと砂掻きに精を出していた。翌日男が目を覚まし、地上に出ようとすると、外に出るためにかけられていた縄梯子が無い。不思議に思う彼だったが、なんとそれは村の人々の仕業だった。ひっきりなしに穴から砂を運び出さなければこの村は埋まってしまうため、村人たちは砂掻きの人手を求めており、男を騙して村に引き留めようとしていたのだ。男は困惑するが、砂を掻かずに逆らうと水が配給されなくなってしまうため、女と砂を掻き出しながら奇妙な同居生活をせざるを得なくなる。なんとか砂の穴から脱出しようと、思いつく限りのあらゆる方法を試みる男だが…. 公演名称 : 砂の女脚本・演出: 山西竜矢原作 : 『砂の女』安部公房キャスト : 森田剛 藤間爽子 大石将弘 東野良平 永島敬三 福田転球企画・制作: レプロエンタテインメント製作: 『砂の女』製作委員会協力: Abe Kobo Official through Japan UNI Agency, INC.©1962 安部公房公式 HP: https://stageoffical.com/sunanoonna/公式 X : @sunanoonna_ 森田剛、安部公房の名作小説『砂の女』を舞台化。新たな生命を吹き込む 第58回ミス日本コンテスト2026 ファイナリスト13名、紫派藤間流「日本舞踊」の“心”に触れる