11⽉15⽇(⼟)、国⽴代々⽊競技場 第⼀体育館にて「K-1 WORLD MAX 2025」が開催された。第10試合には、2連続KO勝ちを収めている大久保琉唯が登場。中国のウー・ユートンを相手に、1ラウンド1分41秒で圧巻のKO勝利を飾り、連続KO記録を「3」に伸ばした。

止まらない成長!大久保琉唯、3戦連続KOで存在感を示す

【第10試合/-56kg契約/3分3R・延長1R】
○ 大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)VS ウー・ユートン(ティエ・インホァGYM/CFP)
KO 1R 1分41秒(左三日月蹴り)

大久保が開始早々から圧倒的な攻勢を見せた。左の前蹴りや鋭いワンツーでユートンを押し込み、矢のような左三日月蹴りで最初のダウンを奪取。立ち上がったユートンに再び左三日月蹴りを叩き込み、試合はここで決着。1ラウンド1分41秒、左三日月蹴りによる鮮やかなKO勝利で、大久保が圧巻の勝利を掴んだ。

試合後の取材で、大久保選手は「中国の選手はボディが効きにくい印象があったんですが、今日は三日月蹴りが一番手応えがありました」と振り返った。
今回の三日月蹴りについて、通常の軌道よりも短く鋭さがあったのではとの指摘に対しては、「会長と一緒に研究を重ね、磨いてきた技です」と語り、練習の成果であることを明かした。

さらに、「最近は攻撃パターンのバリエーションも増やしていて、今回はそれがうまくハマった感じです」と自己分析。3試合連続KOを決めたものの、「打ち分けや打ち終わりの動きなど、まだまだ課題があります。全然満足していません」と向上心を覗かせた。

最後に、「もちろん勝てて嬉しいという気持ちはあります」と笑顔で語りつつも、次なる進化への意欲をにじませた。

大会全体の中で自身の試合がどのような位置づけだったかを聞かれた大久保選手は、「海外選手との対戦は、おそらく僕だけだったかと思います。世界へ向けての配信もありましたし、日本人の強さを見せつけるという意味でも負けられないという気持ちで挑みました。その覚悟を体現できたことが良かったです。」と述べた。

さらに「自身の中で“覚醒した”という実感はありますか?」という問いには、即座に「あるっすね」と力強く答え、「マジで覚醒しました。ここからまた違う大久保琉唯をお見せできるよう、さらに進化していきたいです」と意欲を語った。

三日月蹴りだけでなく、試合全体を通じて攻めの圧力が光った大久保。パンチ中心の攻撃にも手応えを感じていた様子で、「本当はパンチで倒したかったです。練習でもパンチがすごく良かったので」と悔しさまじりに振り返った。

今回の勝利の意味について問われると、「自分にとっては“金子晃大選手へのリベンジロード”です」ときっぱり。さらに「金子選手との試合では、もっともっと気合が入ると思います」と、強い闘志を覗かせた。

また、海外プレスから「世界のファンへメッセージを」と問われた大久保選手は、次のように力強く語った。「K-1は世界展開が進み、さまざまな国の選手が参戦しています。僕が目指すのは、ただチャンピオンになって座り続けることではなく、K-1そのものを大きくしていくこと。かつてのような“熱狂”を取り戻すためにも、僕の階級で『K-1 WORLD MAX』のような大会を実現したい。格闘技界全体が盛り上がるよう、全力を尽くします。」

K-1のレジェンドであり「反逆のカリスマ」と称された魔裟斗から、「大久保琉唯は“K-1の未来”。ボクシング界の井上尚弥や中谷潤人のような“本物のアスリートになって”」と期待を寄せられる大久保琉唯。次戦への注目度はますます高まる。