映画『沖晴くんの涙を殺して』の完成披露試写会が9月8日、都内で開催され、主演の広瀬アリス、木戸大聖、満島真之介、戸田菜穂、根岸季衣、矢崎仁司監督が登壇。余命1年を宣告された音楽教師を演じた広瀬が、撮影で感じた難しさや作品に込められた前向きなメッセージを語った。

映画『沖晴くんの涙を殺して』の完成披露試写会が9月8日、東京・TOHOシネマズ日比谷で開催され、主演の広瀬アリス、木戸大聖、満島真之介、戸田菜穂、根岸季衣、矢崎仁司監督が登壇した。本作は、額賀澪による同名小説(双葉文庫)を映画化した作品。余命1年を宣告され、故郷である瀬戸内海の島へ戻ってきた音楽教師・踊場京香(広瀬アリス)と、死神に“喜び”以外の感情を奪われた高校生・志津川沖晴(木戸大聖)の出会いを通して、「どう生きるか」を描く。広瀬にとって8年ぶりとなる単独主演映画で、10月2日より全国公開される。

広瀬アリス、余命1年の京香役「悲しい顔をちょっとでもするとNG」

撮影は昨年、広島で約1カ月にわたって行われた。完成披露の日を迎えた広瀬は、「ようやく皆さんにこう広めていけるということで、ちょっと緊張の方が勝ちますけれども。ぜひ早く見ていただきたいなという気持ちですね」と心境を明かした。

余命1年を宣告された京香と、“喜び以外の感情”を失った沖晴。「死」というものに近づいた2人を中心に物語が進んでいく中、広瀬は京香を演じる難しさについて、「悲しい顔をちょっとでもするとNGなんで。もうリテイクばっかりなので。そこがすごく自分の中で大変だなと」と振り返った。一方で、広瀬は「ただただ悲しいだけの作品ではない」とも語り、余命宣告という題材から想像される“悲しみ”だけにとどまらない作品であることを強調した。

矢崎監督もキャストとの出会いについて「本当に、なんか良かったなって。出会えてっていうのが正直な」としみじみ。撮影中にはカットをかけるのを忘れて泣いてしまうこともあったといい、編集作業でも「笑ったり、笑顔を見るともう泣けてきちゃって」と、作品への深い思いを明かした。

教師と生徒役の広瀬アリス&木戸大聖、実は同世代

劇中では教師と高校生という関係を演じる広瀬と木戸。広瀬は「めちゃめちゃ同世代なんですよ。もうちっちゃい頃に見てたアニメだったり曲とかが一緒で」と、撮影を通して感じた共通点を明かした。

高校生の沖晴を演じた木戸は、撮影地の学校の生徒たちと並んで撮影する場面も。広瀬は木戸について、若く見え制服も似合うものの、実際の高校生と並ぶと違いが見えたと冗談交じりに振り返り、会場を笑わせた。久しぶりに木戸と再会した広瀬は、髪が伸びた姿を見て「大人っぽく成長したなって思って」とも話し、教師と生徒として過ごした撮影時との変化を感じている様子だった。

木戸大聖、“喜び”しかない沖晴を通して感じた「感情」の大切さ

舞台挨拶の最後、木戸は自身が演じた沖晴を通して、本作が描く『感情』について語った。「ネガティブな感情がなくて喜びだけの感情って、一見こう幸せそうに感じることが皆さんあると思うんですけども」と切り出し、「ぜひこの映画を見てもらった時に、人間のその五大感情っていうものがいかに不可欠かっていうこと、必要なのかっていうところはすごくメッセージ性としてあると思う」とコメント。「ぜひその感情っていう部分に注目して映画を見てもらえたら嬉しいです」と観客に呼びかけた。

また、広瀬は作品を観終えた後に感じてほしい思いについて、「1日1日を本当に大切に生きようとか、弱い自分をもっともっと愛してあげようとか、なんかそんなふうに思ってもらえるんじゃないのかなと思いました」と語った。さらに、「余命宣告をされている主人公のお話ですけれども、決して悲しい話ではありません。どちらかというと前向きな話なので、ぜひストーリーにも注目していただきたいです」とメッセージを送った。余命1年を宣告された京香と、“喜び以外の感情”を奪われた沖晴。一見すると悲しみに満ちた設定の中から、限りある時間をどう生き、自分自身の感情とどう向き合っていくのかを描き出す。

映画『沖晴くんの涙を殺して』は10月2日より全国公開。主題歌はTOMORROW X TOGETHER「Silence」、劇中曲には谷川俊太郎の詩に尾崎世界観(クリープハイプ)が曲をつけた「生きる」が使用される。