木ノ本嶺浩と辻しのぶがW主演を務め、認知症やヤングケアラー、人間の尊厳をテーマに描いた映画『メモリードア』が、公開から半年を迎えた現在も全国で上映を続けている。7月18日には東京・K’s cinemaで舞台挨拶が開催され、総勢11名のキャスト・監督が登壇。笑いに包まれたトークの中で、本作が伝える「愛」と「寄り添い」への思いを観客へ届けた。 舞台挨拶には、主演の木ノ本嶺浩、辻しのぶをはじめ、モロ師岡、小宮孝康、森恵美、南久松真奈、碧海舞音、片岡功、寺田浩子、望月卓哉、加藤悦生監督の総勢11名が登壇。当初の予定を上回る人数が集まり、作品への思いと観客へ直接感謝を伝えたいというキャスト・スタッフの熱意が感じられる舞台挨拶となった。 イベント冒頭では、モロ師岡の「今日は大事な日だから勝負パンツを履いてきた」という話をきっかけに、小宮とモロ師岡によるまるでコントのような軽妙な掛け合いが繰り広げられ、会場は笑いに包まれた。主演の辻しのぶは、「上映の機会をいただけて感謝しています。今日から1週間、多くの方に観ていただきたいです。応援よろしくお願いします」と呼びかけた。木ノ本嶺浩も、「撮影を終えてから上映の日を心待ちにしていました。多くの方の支えがあって公開でき、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。映画は観ていただいて初めて完成するもの。皆さまの記憶の中に、この映画が寄り添ってくれたら嬉しいです」と感謝を語った。 モロ師岡は、本作について「この作品のテーマは『愛』なんだと思いました。認知症も描かれていますが、どんなことを忘れても愛は忘れない。愛は人を救うんだと感じました。これからも愛を忘れずに生きていきたい」と作品への思いを語りつつ、「映画を観ながらたくさん思ったことがあったのに、すっかり忘れてしまいました」と茶目っ気たっぷりに、会場を笑わせた。 最後に辻は、「この映画を観た方から『人と話したくなった』『会いたくなった』という感想をたくさんいただきます。温かくて、明るく、楽しい映画です。ぜひいろいろな方に声をかけてご覧いただけたら嬉しいです」と呼びかけると、木ノ本も、「1週間限定上映ですが、観てくださった皆さまをきっかけに、この映画を育てていただけると嬉しいです。優しく人に寄り添う愛のこもった作品です。本当に胸がいっぱいです。ありがとうございました」と感謝の思いを述べた。 舞台いっぱいに11名が並ぶ光景は圧巻で、笑いを交えた軽快なトークから作品への真摯な思いまで、多彩なやり取りが繰り広げられた。映画のシーンについて監督を交えながら語り合う場面もあり、登壇者全員が口をそろえて伝えたのは「愛」と「寄り添い」という本作のテーマ。笑いと拍手に包まれた温かな舞台挨拶となった。 ストーリー サラリーマン・和也(演:木ノ本嶺浩)は、親の期待に応え安定した人生を歩むも、心に物足りなさを感じていた。そんな彼が偶然訪れた「認知症カフェ」で、20歳年上の令子(演:辻しのぶ)と出会う。若年性認知症を患いながらも、輝く笑顔で周囲を魅了する令子に、和也は心を奪われる。彼女の孤独と向き合う瞬間を目にした和也は、記憶を失っても愛を貫く令子の強さと人間らしい弱さに深く惹かれていく。カフェでの温かな交流を通じて、和也は自分を縛る「親のレール」から解放され、人生初の「真実の愛」を見出していく。記憶を失っても愛は残る。予期せぬ出会いから始まる、切なくも希望に満ちた愛と再生の物語。 受賞歴 第13回映像グランプリ【優秀賞】(2021年12月)おおぶ映画祭2022【オフィシャルセレクション】(2022年3月)第20回記念中之島映画祭【グランプリ】(2022年5月)第3回萩ibasho映画祭【入選】(2022年8月)第3回かごしま平和映画祭【最優秀長編映画賞】(2023年2月)第9回賢島映画祭【特別賞】【最優秀女優賞】(2023年9月)