4月28日(火)、東京・ホテルニューオータニで、株式会社木下グループ所属の三浦璃来・木原龍一ペアが現役引退会見を行った。オリンピック後に「やり切った」と決断した背景や、7年間の歩みを振り返り、三浦は「かけがえのない時間でした」と涙ながらに語った。

引退を決断した背景について聞かれ、三浦璃来は「今シーズンの初めから引退を意識して滑っていました」と静かに切り出した。ショートプログラムで5位スタートとなった際には「このままでは終われない、あと4年続けるか」と迷いもあったというが、「フリーで全てを出し切ることができて、やり切ったと思えた」と振り返り、オリンピック終了時点で世界選手権の欠場と引退を決めていたことを明かした。

木原龍一も「昨年の5月頃から今シーズンが最後になるという思いが強かった」と語り、「オリンピックを終えた時点で、やり切ったという気持ちがありました」と重なる思いを口にした。

これまでのオリンピックを一言で表現するならという問いに、三浦は「最初はとても緊張していましたが、“オリンピックも普段の試合と変わらない”という木原選手の言葉に救われて、自分たちらしい演技ができたと思います」と振り返る。一方の木原は、少し間を置きながら「『涙』ですね」と一言。「ソチでは世界との差を痛感し、北京もミラノも、振り返ると泣いていたのかなと思います」と語った。

お互いへの言葉を求められると、三浦は「団体戦のときにもメッセージを書いたのですが、『私と組んでくれてありがとう。私たち最強だよ』と、涙が止まらないまま書いていました」と当時を思い出しながら語る。「木原さんに支えられて、7年間はアスリートとしてだけでなく、一人の人間としても成長できた、かけがえのない時間でした」と感謝を伝えた。

それを受け、木原は「2019年にりくちゃんと組むことがなければ、僕は引退していたと思います」と率直に語り、「彼女とじゃなければここまで来られなかった。本当に感謝しかない。最高のパートナーに出会えました」と言葉を噛み締めた。

後については、「プロとして、ペアの技を見せられる場所を回りながら活動していきたい」と木原。長年の競技生活を経て、スケートについて問われると、三浦は「幼い頃は自分のことで精いっぱいでしたが、今は多くの方に支えられてきたことを強く感じています。苦しい時も乗り越えられる心の強さを育ててもらいました」と語り、「私はきっと、一番支えられてきた選手だったと思います」と微笑んだ。

木原は「僕にとってスケートは人生そのものです。4歳から始めて、生活の一部でした」と振り返り、「これからもプロとして続けていきますが、“諦めないことの大切さ”を教えてくれた存在です」としみじみと語った。

会見の最後、三浦が「私が引っ張っていく立場になってしまったね!」と冗談めかして声をかけると、2人は顔を見合わせて笑顔を見せた。その自然なやり取りに、7年間の絆の深さがにじんでいた。