5月23日、都内にて中国のアカデミー賞とも呼ばれる「中国金鶏百花映画祭」が、フォーカスピクチャーズ運営のもと「金鶏海外影展」として日本初上陸。唐人街探偵 シリーズ最新作『唐探 1900』の上映にあたり、陳思誠 監督が登壇。鳩山由紀夫元首相夫妻も駆けつけ、映画の持つ日中文化交流の力と重要性を熱く語った。

本シリーズは、世界中のチャイナタウンを舞台に「チグハグ」コンビが事件を次々と解決していく人気作。日本でも東京を舞台にした第3弾『唐人街探偵 東京MISSION』に、妻夫木聡、三浦友和、長澤まさみなど有名俳優が多数出演したことでも話題となった。

鳩山由紀夫前首相、「夫婦の愛が芽生えた場所はサンフランシスコ！」

映画を通し中国と日本の交流を大きなものにしていこうとする試みに共感し、この映画祭に登壇することを決めたという鳩山由紀夫元首相。「映画は、日中両国の良好な関係を保つうえで、大きな影響を持っていると思っている」と金鶏海外影展開催の重要性に触れつつ、「特に、今日これから上映される『唐探 1900』は、話の舞台がサンフランシスコのチャイナタウンとのことで、私たち夫婦の愛が芽生えた場所がサンフランシスコということで、大変思い入れ深くこの映画を拝見したい」と夫妻のなれそめを明かした。

また、「妻の幸（みゆき）が、多分2年以内に映画を作りたいと頑張っているので、その時は皆さん観に来てください」と幸夫人の映画制作計画を発表し会場を沸かせると、陳思誠 監督が、映画撮影の際にはと、来場していた有能なカメラマンを紹介するという一幕もあった。

新作への想いを語る 陳思誠 監督

映画の見どころを「2019年、東京を舞台に『唐人街探偵 東京MISSION』を撮影してから、あっという間に6年が経ちましたが、こうして再び東京に戻ってきて、日本の皆さまの前に立つことが出来て嬉しく思っております。話の舞台は1900年代のサンフランシスコですが、撮影自体は山東省に300畝（4,500ヘクタール）ほどの巨大な撮影拠点を設けて行いました。1900年といいますと、中国にとって複雑で重たい歴史の側面もあったかと思います。ですが、映画は今の観客の皆さまにご覧いただくものであり世界共通の言葉でもありますから、映画を通して、あのような歴史はこれからはないんだ、あってはいけないんだ、ということを感じてもらえたらいいなと思います。日本の皆さまにも、映画を通して中国人の頑張りを分かってもらえると幸いです」と語った陳思誠 監督

陳思誠(チェン・スーチェン)プロフィール

中国で最も若くして興行収入 100 億元を突破した監督　陳思誠

遼寧省出身。中央戯劇学院卒業。2001 年『法官媽媽(原題)』で俳優デビュー。2012 年、恋愛ドラマ「北京 愛情故事(原題)」で監督デビュー。この作品では脚本主演も務め、のちに同タイトルの映画も制作し、英国万像国際華語 映画祭最優秀監督賞を始め多くの賞を受賞した。その後『唐人街探偵 THE BEGINNING(原題:唐人街探案)』、 ニューヨークの中華街を舞台とする『唐人街探偵 NEW YORK MISSION(原題:唐人街探案 2)』、その後日本を舞 台とする『唐人街探偵 東京 MISSION(原題:唐人街探案 3)』を制作。2021 年に公開された。『唐人街探偵 東 京 MISSION』は、記録的な大ヒットとなり、陳思誠は“中国映画史上初の興行収入が 100 億人⺠元を突破した監督” となった。その他の代表作:『デクリプト』(原題:『解密』)『ロスト・イン・ザ・スターズ/妻消えて』

ストーリー

1900 年、太后の命を受けた清朝の高官・費洋古は、政治組織・興中会の孫文と鄭仕良を捕らえるためアメリカ・サンフラ ンシスコにやって来る。同じころ、アメリカ下院議員グラントの娘アリスが、サンフランシスコのチャイナタウンで殺害される事件が 起こる。さらに年寄りのインディアンも殺され、その嫌疑はチャイナタウン協盛堂の⻑・白軒齢の息子の白振邦にかけられる。 グラント議員は、アメリカ在住の中国人を毛嫌いしており、議会で中国人を排斥する法案を推進しようとしていた。白軒齢は 息子を守り、中国が迫害を受けるのを防ぐべく、探偵を雇って調査を依頼することに。雇われた秦福は、養父の復讐のため にやってきた中華系インディアンの阿⻤と共に真相を追究し始める…。