歌手 大黒摩季がインタビューで語った「個性」そして「歌」

― ミスインターナショナルクイーン2024をご覧になった感想をお聞かせください。

大黒さん: 自分の方が、女として美しくなることを怠けていたな……と反省しました。彼女たちがあまりにも眩(まばゆ)くて、努力の跡もたくさん見られることができたので、やっぱり自分をちゃんと輝かせてあげないといけないなって学びました。

― 観覧中にマイクを向けられ発言を求められましたが、その中で「個性は他の誰かのためにあるのではない。他の誰かからとやかく言われるものでもない」という大黒さんの本音のメッセージを聞くことが出来ました。「自分の個性とは何か?」に悩み、個性を出すことに憶病になっている方に伝えたいことはありますか?

大黒さん: 個性って、よく出せ!出せ!と言われるじゃないですか。でもこれって、自分で出せるものではなくて、自然に溢れ出てくるものが個性だと思うんですよ。だから、1つで良いから自分の好きなことを追及し自分が夢中になっている、その一途さが個性になるんだと思います。日本だと満遍なく何でもできるのが良い人や良い子と言われることがあり、私もかつては良い子時代はあったんですけど、良い子でいるのは面倒くさいし、つまらないし、得するのは周りだけなんですよね。いつかとか、未来とか、幸せとか、そういったぼんやりしたものに振り回されて自分をないがしろにしてきたのであれば、「ベクトルを変える時」が来たんだと思います。

― 「ベクトルを変える時」という言葉のように、ご自身の内面を言葉に変換すること、表現し始めた、もしくは表現を意識するようになったのはいつの頃からでしょうか?

大黒さん: 子供の頃から変な子で、周りからは「変だ。変だ。」と言われてましたが、父だけはいつも私の味方で、「変って良いよ~」って言い続けてくれたんですよ。父は若くして亡くなりましたが、父は「絶対お前がかっこいい時代がやってくる。時代が追いつく。それまでパパが守ってやる。好きなようにやれ!」と。たぶん彼女たち(ミスインターナショナルクイーン2024出場者)もそうだと思いますが、たった一人味方が居れば戦えるんだと思います。何万人の敵がいても、信じられる誰か一人が居れば勇気は沸くんだと思います。だから私も舞さん(ミスインターナショナルクイーン ナショナルディレクター 江島 舞氏)と共に、ある意味彼女たちの応援団というか、守ってあげる側にまわりたいと思います。

― 近年ダイバーシティが叫ばれるようになり、昔に比べるとセクシャルマイノリティの人が声を上げやすくなってきているのではないかと思います。とはいえ、彼女たちのように、自分を表現することが得意ではない方も少なからずおられると思います。その方々がより輝けるそんな社会になるために、私たちにとって必要なことは何だと思いますか?

大黒さん: 知らないから怖い、怖いからイジメるんですよね。知ればなんてことないのに。父のパン工場には、知的障がいの方や身体障がいの方、今でいうLGBTQの方が働いていて、だから私にはそれが普通、「No Border」なんです。だから正しい情報を発信し知ってもらうこと。そしてどんどん仲間を増やしていくことが必要だと思います。

― 最後に、大黒さんにとって「歌の魅力」とは?

大黒さん: それこそ歌がなかったら私は生きていないかも。色々な区別、差別、いじめにあった時でも、学校の先生が教えてくれないことや人に聞けないことを、ある時はボブ・ディランが、またある時はニール・ヤングやブルース・スプリングスティーンが教えてくれたり、恋はホイットニーヒューストンが教えてくれたり。悩みを言えない私を救ってくれたのが音楽だったから、私も歌の力で人の心を救えたら本望です。

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