8月10日「ハットの日」、グローバル刃物メーカー 貝印株式会社 が最優秀職人章の称号をもつ、Hat & Head piece designer 日爪ノブキ氏と 株式会社栗原 代表取締役社長 栗原亮氏を審査員に招き、今年で2年目となる帽子デザインコンテスト「KAI Hat & Head-piece Competition 2023」を開催。今年のテーマを「COME OUT OF YOUR SHELL」とし、優秀賞15作品を発表した。また、ドラマ「ハレーション・ラブ」で話題の女優 高橋ひかるさんも特別審査員として登壇し「高橋ひかる賞」を発表。BPMから日爪さん、遠藤社長へのインタビューもご紹介します。

「ハットの日」にまつわるトークセッション

遠藤社長より会社説明および本コンペティションの紹介がされ、トークセッションがスタート。遠藤社長を含め4名で「ハットの日」に関連する「帽子選びのこだわり」、「テーマ「COME OUT OF YOUR SHELL」にかけた、殻を破ったエピソード」が披露された。

遠藤社長は、社員旅行先ハワイで約800人の前でプレゼンを行ったこと。日爪さんは、パリコレでのエルメスの帽子製作工程で、見えない部分をイメージしながら縫うという経験が語られた。さらに、高橋さんからは芸能界に入るきっかけとなった美少女コンテストに感謝しつつも「脱・美少女コンプレックス」を意識しはじめたエピソードが話された。

「KAI Hat & Head-piece Competition 2023」15作品発表

授賞式では、優秀賞15作品と、15作品の中から選ばれた「高橋ひかる賞」が1作品発表された。

高橋ひかる賞

「高橋ひかる賞」に選ばれたのは、山口空叶夢さんの「OVER DRIVE」。「繭の中で自分だけのインスピレーションを育てて孵化を待つ「何か」にすごく惹かれます。使う素材も環境に優しく、またデザインイメージにぴったりな、アイデアや発想が詰まった古紙を使われる点も素敵だなと思いました。 この作品の力で、自分の隠し持つ才能や魅力と向き合い解き放つための気づきとなってくれる素敵なデザインだと思います。実際の完成した作品が楽しみです。」と高橋さんはコメントした。(コメント:プレスリリース原文ママ)

日爪ノブキさんBPM独占インタビュー

「あきらめるという選択肢を選ばなければ何かが起こる!」

BPM: 「あきらめるという選択肢を選ばなければ何かが起こる」という意識で世界の舞台で挑戦を続けてこられた日爪さんですが、現在ご自身が挑戦されていることは?

日爪さん: ロエベの次のコレクションのプロトタイプを作っています。普通で考えたら不可能なことを自分で可能性を見つけ、作り方を見出していくということを行いました。例えば、帽子の技術を使って洋服を作ること。素材や表現するフォルムが変わるだけで、その制作難易度は極端に跳ね上がります。敢えてそこに挑戦し、さらに自分のやってきたことを超えようと足掻き、そして超えてきました。

発注者の抽象的なイメージや平面的なイメージから「自分の頭の中にあるものを形にできますか?」と問われることがあります。おそらく発注者も「無理かも」と思いながら半信半疑で打診しているのではと思われることもあります。常識的に考えると「難しい」というようなことも、「難しいこと」と自身で選択をせず、今までの経験と自分のひらめきや脳細胞をフル稼働させて、発注者のイメージを形にして示してあげることで信頼を築いてきました。「NOを言わない」が自分の殻を突破するための大切なポイントだと思います。

BPM: 海外で多くの実績と名声を得てきた日爪さんですが、海外を目指す今の若者に必要なことは何だと思われますか?

日爪さん:: まずは海外に出ること!世界人口は80億人。一方日本の人口は1億2千万人、且つ年々人口は減少していきますね。この事実だけを見ても、世界に目を向けると可能性は広がるのではないでしょうか。そして自分を超える努力を重ねながら、「経験」「良いものに触れる」「自分の直感を信じる」これら3要素を大切に自分の挑戦を続けてください。

遠藤浩彰社長に聞いた、コロナ禍を振り返る貝印のビジネス

「野鍛冶の精神を以て、お客様に寄り添って新たな製品やサービスを生み出し続けていく」

BPM: 貝印主催「KAI Hat & Head-piece Competition 2023」は今年で2年目の開催となりますが、率直に今のお気持ちは?

遠藤社長: 初回のコンテストが上手くいったことで、今年2回目を迎えることが出来ました。そういう意味では、純粋に「よかったな」という気持ちです。

BPM:今でこそ新型コロナウィルスの分類も5種に移行し、誰もがアクティブに行動できる世の中に戻りつつあります。コロナ禍では多くの行動が制限され、様々な制約があったかと思います。貴社にとってパンデミックとはどのようなものでしたか?

遠藤社長: ビジネス的な面で言うと、コロナ禍で売上が低迷した品群があれば、逆に伸びた品群もありバランスが取れていた部分が見られました。コロナ禍での売上の伸びは、新たなお客様が自社製品に触れ評価頂けたという結果ですので、大きなプラス要因になっていると思います。また、コロナウィルスがひと段落したことで、コロナ禍で低迷したビジネスも回復してきております。コロナにより、変化がありながらも新たなビジネスの可能性を感じることが出来たなど、決して悪いことばかりではなかったと言えると思います。

BPM: 今後の貝印について、そしてこれからの貴社商品についてお聞かせください。

遠藤社長: 「食文化」であったり、「身だしなみ」であったり、皆さまが豊かな人生を送るため必要なものがあれば、野鍛冶の精神を以て、お客様に寄り添って新たな製品やサービスを生み出し続けていくことが我々の存在する意義、使命だと思っています。

商品に関しては、一般のお客様向けには、ビューティーケアや包丁などの家庭用商品が中心となりますが、プロフェッショナルな分野では、今回の縫製鋏を含め様々な工場の生産現場で使われる刃物など工業用製品を提供しています。また医療分野にも力を入れており、今後も伸ばしていける余地が大いにあると思っております。

取り扱い商品からも分かるように、弊社の強みは、様々な商品カテゴリーを持っていることにあります。ある商品を開発するのに使った技術が別の商品を作る際に転用できたり、進化させられたということもあります。カミソリや包丁など、個々の商品群での競合はございますが、我々のように、横断的に商品を扱っておられる会社は少ないので、だからこそ我々の発想の飛び方はユニークで自由であり、これが私どもの強みと言えます。そしてこの強みを今後の新事業やサービスを生み出す原動力にしていきたいと思っております。

「KAI Hat & Head-piece Competition 2023」優秀者発表 概要

日 時:2023年8月10日(木)
登壇者:貝印株式会社 社長 遠藤浩彰氏/Hat & Head piece designer 日爪ノブキさん)/株式会社栗原 代表取締役社長 栗原亮さん)/女優 髙橋ひかるさん

〈内 容〉
・KAI Hat & Head-piece Competition紹介
・貝印株式会社 社長 遠藤浩彰 挨拶
・ゲストご挨拶(日爪ノブキさん/髙橋ひかるさん)
・「ハットの日」に関するトークセッション
・KAI Hat & Head-piece Competition受賞式

「KAI Hat & Head-piece Competition 2023」スケジュール

募集テーマ:「COME OUT OF YOUR SHELL 」

 デザイン応募期間 2023年4月17日(月)11時00分〜7月16日(日)23時59分まで
 書類審査     2022年7月17日(月)~19日(水)                            優秀賞発表 2023年8月10日(木)貝印「ハットの日」 審査員とのトークイベントにて発表 
 帽子制作期間     2023年8月10日(木)〜10月20日(金)
 最終選考     2023年10月下旬
 最優秀賞発表   2023年11月8日(水)貝印「いい刃の日」イベントにて発表・展示
 2024年春以降   パリ・ファッションデザイン研修
 ※コンテストスケジュールはやむを得ず変更する場合があります。

日爪ノブキ(ひづめ・のぶき)さんプロフィール

2004年に文化服装学院アパレルデザイン科を首席で卒業後、渡伊。イタリアのメーカーよりアンダーウェアのデザイナーとしてコレクションを発表する。帰国後、国内外の舞台やミュージシャンの帽子・ヘッドピースを手がけ、同時にアーティスト活動として「NOBUKI HIZUME」を展開。2009年よりフランスに拠点を移し、数々のグランメゾンのパリコレクション用の帽子を手掛けている。2019年、フランス国家最優秀職人章※に認定。同年、帽子ブランド「HIZUME」をスタートさせる。FW22、FW23のLOEWEのコレクションにおいては伝統的な帽子作りの技術を生かし洋服作りにも挑戦している。

※フランス国家最優秀職人章(Meilleur Ouvrier de France:MOF)は、フランス文化の継承者にふさわしい高度な技術を持つ職人に授与される称号で、日本の重要無形文化財(通称、人間国宝)認定制度に相当すると言われている。

栗原亮(くりはら・とおる)さんプロフィール

株式会社栗原 代表取締役社長、兵庫県出身。

青山学院大学卒業後、大手アパレルメーカーのワールドに入社。

その後、家業の栗原に入社し、「裏原宿」と呼ばれる地域にオープンした、カジュアルな帽子専門店「OVERRIDE」を成功させる。以降、直営店による多店舗展開を実現する。2003年、社長に就任。

高橋ひかる(たかはし・ひかる)さんプロフィール

2001年9月22日生まれ。滋賀県出身。2014年、「第14回全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを受賞。2016年、映画「人生の約束」で俳優デビュー。主な出演作に、大河ドラマ「おんな城主 直虎」、NTV「俺のスカート、どこ行った?」、TBS「村井の恋」主演、WOWOW「青野くんに触りたいから死にたい」、WOWOW「早朝始発の殺風景」、映画「おそ松さん」(2022)、ミュージカル「リトル・ゾンビガール」など。その他にもバラエティー、ラジオ、モデルなど幅広く活躍。
2023年8月5日スタート 土曜ナイトドラマ「ハレーションラブ」(テレビ朝日系 毎週土曜23:30~)にてテレビ朝日ドラマ初出演にして初主演を務める。2023年10月、舞台演劇番組イベント生配信ドラマ「あの夜であえたら」の出演を控える。

オフィシャルサイト:https://www.oscarpro.co.jp/talent/hikaru_takahashi/

貝印株式会社

1908年、刃物の町として有名な岐阜県関市に創業。現在、生活に密着した刃物を中心とするカミソリ、メンズグルーミング、ツメキリなどの身だしなみやビューティーケア、包丁をはじめとする調理・製菓、医療用など1万アイテムにもおよぶ商品を展開し、商品の企画開発から生産、販売、物流までの一連を行っているグローバル刃物メーカー。

本社:東京都千代田区岩本町3-9-5 代表取締役社長兼COO 遠藤 浩彰 https://www.kai-group.com