2021年4月10日、Mr Gay Japan2021(ミスター・ゲイ・ジャパン2021)が誕生しました。東京レインボープライドウィーク前にZoom上に、ミスター・ゲイ・ジャパン 運営代表 Georgie Ichikawaさん、プロデューサー 吉井絵梨子さん、初代ミスター・ゲイ・ジャパン SHOGOさん、そしてMr. Gay Japan 2021に見事選ばれたHIROさんをお招きしMr. Gay Japanの活動や同性婚運動などについてお話を伺いました!

Mr. Gay Japan 立ち上げのきっかけ

BPM西田:日本で唯一のミスターゲイコンテストであるMr. Gay Japanを日本で立ち上げたきっかけを聞かせて頂けますか?

ジョージーさん:不思議な話なのですが、当初はこのような活動をすることなど全く考えていなかったんです。人生の流れのなかで自然に起こってきたことなのです。ある仕事で、ミス・グランド・ジャパンの方たちの撮影の企画があったのですが、移動中のミス・グランド・ジャパンナショナルディレクター吉井さんとの会話をきっかけに一緒にMr. Gay Worldに繋がるMr. Gay Japanを立ち上げることになったんです。

BPM西田:タクシーの中でのちょっとした会話がきっかけなんですね!

ジョージーさん:日本でゲイのコンテストがないという会話が発端で、吉井さんが色々と調べたのちに一緒に大会をやろうと声をかけてくれたのです。コンテストのことなど、ほとんど知らなかったのでハードルも高いと正直思っていました。そんな中、海外のプロデューサーから励ましの連絡をもらい、台湾で同性婚の活動に動きがあった時期( 2019年5月24日に台湾で同性婚が認められるようになった )に台湾のプロデューサーから「 自分たちが声を発していくことで法律、社会、人の考えまでもが変わっていくかもしれないんだよ 」 と言われたのが決め手となりました。「じゃあやるか!」と勢いでスタートしたことがはじまりでした。

コロナ禍だからこそできたこと

BPM西田:そのような誕生エピソードがあったのですね。さて、今回の大会はコロナ禍でのオンライン開催となり、ご苦労もあったのではと思います。実際のご活動はどのような形で行われたのですか?

ジョージーさん:今回は、コロナがあったからこそ出来たことが多かったと思っています。今回の開催に関しては延期の決断も含め『進みたいけど進めない、未来の見えないような感覚 』がありました。ですが、LGBTQの声を上げていくという活動の中で、ネガティブにはなりたくなかったのです。結果、延期という決断を下したことによって、ファイナリストと一丸になれたことが今年の大会の特徴となりました。

BPM 西田:今回、SNSなどを活用してオンラインでの活動を多くやられていて、多くの方を巻き込んだ大会になっていたと感じたのですが、実際にいかがでしたか?

ジョージーさん:大会だけでなく、同性婚の賛同への署名活動をしたことで世界からの声も届きました。

国内外から集まった要望書への27,000筆の署名

BPM西田:27,000筆もの署名が集まったと伺いました。ものすごい成果ですね。

ジョージーさん:ファイナリスト達と話し合って、来年のファイナリストに託すことができるような目標を掲げようと、今回の活動が始まりました。自分たちの活動を可視化するということがテーマで、HIRO君のような方がいなかったらこのような素晴らしい結果を齎すことはできなかったと思っています。

BPM 西田:HIROさんがご活躍されたんですね!

HIROさん:そんなことはないです。それぞれのファイナリストのがんばりとオンラインでの小まめなやり取りを重ねたことで、27,000もの署名が集まったと思っています。実は、参加する前はこのような大会はどこかギスギスしているのかと思っていたんですが、全く違いました。

Mr. Gay Japan 2021発表の瞬間

BPM西田:HIROさん、今回の受賞本当におめでとうございました。発表の瞬間はどんなお気持ちでしたか?

HIROさん:嬉しさはもちろんですが、いろいろな感情がありました。自分なりに出来ることは頑張ったのですが、他のファイナリスト達もとてもがんばっていたのでグランプリはどうかなぁ?と思っていたんです。自分の名前が呼ばれる前はワクワクと不安感など複雑な感情が入り乱れていました。

BPM西田:今回の活動や審査の中で心に残っていることは何ですか?

HIROさん:いつもジョージーさんがおっしゃっていた『声をあげることの大切さ』をこのコンテストを通して実感しました。同性婚ができるようになれば良いと思うだけでなく、自分たちが先頭を切って活動することが大切だと学びました。また、みんなと力を合わせ活動をやり遂げたことは、自分の成長にもつながったと感じています。ミスター・ゲイ・ジャパンの講義で東京での訴訟をされた方のお話を伺う機会がありました。その方のお話に刺激を受け、福岡に傍聴に出向き原告の方の想いに心打たれたり、地域の議員さんに請願書を提出したりと個人でも地道な活動をしていました。今までは、同性婚が出来たらハッピーだと思うくらいだったのが、様々なお話を聞くことで社会保障や納税に関する知識など生活の基盤に係わることがわかるようになりました。

オーストラリアから見た日本社会の移り変わり

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BPM西田:SHOGOさんは、2018年の初代ミスター・ゲイ・ジャパンでいらっしゃいますが、ここ数年の日本社会は大きく変わったと思われますか?

SHOGOさん:ここ3年で目まぐるしい変化を感じています。日本の若い世代の方が声をあげる機会が増え、オンラインのツールも普及してきているので各自で動き出す人が多くなったと思います。現在、オーストラリアに住んでいるのですが海外から日本を見ても、社会を良くしていこうという動きが良く伝わってきています。

BPM西田:SHOGOさんの現在のご活動を聞かせて頂けますが?

SHOGOさん:学校で教師の仕事をしながら、YouTubeでも活動をしています。自身がミスター・ゲイ・ジャパンに選ばれた際のスピーチでもお話したのですが自分が掲げていた目標に、『 性教育の普及 』がありました。普及の方法を模索している際に、YouTubeに出会ったのです。

BPM西田:YouTubeでは、どのようなことを配信されているのですか?

SHOGOさん:自分が幼い頃、性に関する悩みが沢山あるにも関わらず、誰に相談して良いのかが分からなかった経験があります。同じように悩みを持った人たちの問題を解決するためにYouTubeの動画を作っているのです。将来的には、学校のカリキュラムにもこのような性教育を取り入れていきたいと思っていますが、今の子供たちに伝える必要があるため、YouTubeというツールを使ってオンラインでお話をしています。日本とオーストラリアの教育のそれぞれの良いところをうまく吸い上げて、発信できれば良いと考えています。

BPM 西田:SHOGOさんからHIROさんへアドバイスはございますか?

SHOGOさん:『初心を忘れずに!という言葉を送りたいです。自分も初心を忘れそうになると運営チームから『愛のお叱り』が飛んでくるのですが、初心を忘れずにがんばってほしいと思います。

ミスター・ゲイ・ジャパンとミス・グランド・ジャパンはお互いを高め合う存在

BPM 西田:タクシーの中での会話から始まったこの大会が、多くの人の心を動かす素晴らしい大会に成長していますが吉井さんはどのようなお気持ちですか?

吉井さん:ミスコンを続けてきた私が、このような形で人の役に立てることに驚くと同時に喜びを感じています。大会を運営するのはとても大変なことで、実際に運営費用を各自で持ち出しすることもあったりしました。しかし、社会を良くしたいという一心で続けてきました。時代と共に同性婚やLGBTQ+に対する考えが変わり、また私達の活動を評価してもらえるようになったことを嬉しく感じています。

BPM西田:ミス・グランド・ジャパンもミスター・ゲイ・ジャパンもそれぞれの大会が毎年大きく飛躍されていて、吉井さんのプロデュースは素晴らしいと感じています。

吉井さん:ミス・グランド・ジャパンのファイナリストもミスター・ゲイ・ジャパンのファイナリストのみなさんの活躍を見て刺激を受けています。今年のファイナリストが学校でLGBTQについて学んでいて、何か活動ができないかと問い合わせをしてきたりしています。お互いが社会貢献を目指す大会として高め合う存在となれば良いと考えています。どちらも略すると『 MGJ 』なんですよ!

BPM西田:吉井さんが考える理想の社会とは?どんな社会ですか?

吉井さん:私はストレートですが、 同性愛だから選択肢を狭められるような社会には疑問を持っています。 自分の子供が大きくなった時に好きな人が好きな人と一緒になれる社会であってほしいと思っています。

HIROさんの抱負

ミスター・ゲイ・ジャパンに選んで頂けたからと言って、お高くとまるのではなく身近に感じて頂けるような存在として、代表としての責任を感じながらも常にワクワク活動したいと思っています。僕もゲイとして自分らしく生きたいし、周りにも自分らしく生きて良いことを伝えられるような人間でありたいです。その姿を見て、ミスター・ゲイ・ジャパンに挑戦したいという次の世代の方が出てきてくれたら本当に嬉しいです!同性婚に関する活動やLGBTQについて人の悩み事を一緒に解決できるようになりたいです。

ジョージーさんに聞く団体としての今後

本当にたくさんの人にこの団体は助けられています。多くの方が優しい手を差し伸べ、アドバイスやサポートをしてくださいます。そういう人たちへの感謝の気持ちを忘れないことが大切だと思っています。ミスター・ゲイ・ジャパンが日本と世界で、それぞれの意見を交換したり情報が共有出来るようなプラットフォームのような存在になっていけたらと思っています。何をどうするとかではなく、これから参加してくれる方々をサポートしていくことや、その人たちの声をどう広げていくのかということに集中し、少しづつ大きな団体になりたいと願っています。

今後もミスター・ゲイ・ジャパンの活動をBPMでご紹介させていただければ幸いです。皆さまお忙しい中、貴重なお話をお聞かせくださりありがとうございました!


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Mr Gay Japanの活動がわかるYouTube チャンネル『 MR GAY JAPAN 』

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