広瀬アリス主演の映画『沖晴くんの涙を殺して』の初日舞台挨拶が10月2日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われ、広瀬をはじめ、木戸大聖ら出演者と矢崎仁司監督が登壇。広瀬が公開初日の緊張や撮影中の苦労を振り返ったほか、登壇者が最近涙したエピソードを披露。作品に込めた思いを観客に届けた。 映画『沖晴くんの涙を殺して』は、余命1年を宣告された音楽教師・踊場京香(広瀬アリス)と、喜び以外の感情を失った高校生・沖晴(木戸大聖)の出会いを描く物語。 公開初日を迎えた広瀬は「やっと初日を迎えることができました。本当に嬉しいです」と挨拶。「めちゃめちゃ緊張しています。とても手が震えている」と率直な心境を明かした。演技で苦労した点については、「今回の作品は全体的に、悲しい顔をちょっとでもしたらすぐNGなので。そこが本当に難しかったですね」と説明。死が身近にある物語だけに、自然と悲しい表情になってしまい、矢崎監督と話し合いながら手探りで撮影を進めたという。 また、映画のタイトルにちなみ、最近涙したエピソードを尋ねられると、自身の“雨女”ぶりを告白。最近参加した別作品では、広瀬の出演シーンが雨のため何度も撮影中止になったといい、「私のシーンだけ毎回飛ぶんですよ、雨で」と苦笑い。結局、雨の中で撮影することになり、しかも泣くシーンだったという。「情けなくて泣きました」と明かし、会場から笑いが起こった。一方、矢崎監督は、今夏、本作の音楽を担当した音楽家が亡くなったことに言及。「もう一緒に映画を作れないと思ったら、10日ぐらい泣き続けていました」と振り返り、「本当にショックで、もう涙が枯れています」と故人への思いを語った。 舞台挨拶の終盤、木戸は本作について「決して悲しい作品にはなっておりません」と強調。登場人物の2人が出会うことで、遠い未来ではなく、明日や明後日をどう生きるかを考えられる作品だと説明し、大切な人と一緒に鑑賞してほしいと呼びかけた。続いて広瀬は、作品と出会った当初、「喜び以外の感情がないって最高じゃないって思った」と告白。しかし、撮影を通して「ネガティブな感情があるからこそ、喜び、ポジティブな感情がさらに幸せを感じたりする」と気づいたと語り、「この作品は、まっすぐ生きていくために大切な言葉がたくさん散りばめられています。ぜひこの世界観に浸っていただければ」上映を控えた観客に、作品への思いを届けた。 舞台挨拶の最後には、観客にも写真撮影の時間が設けられた。登壇者と矢崎監督は客席の右へ左へと向きを変えながら、笑顔で手を振り、撮影に応じた。上映を心待ちにする観客との温かな交流が印象的な舞台挨拶となった。