4年前、Miss World Japan 2022で準グランプリに輝いたゆりあ(Julia Kuehnle)さん。会社員としての経験やドイツでのMBA進学、発信活動などを経て、Miss World Germany 2026として世界大会へ挑み、111の国と地域の代表が集う中、TOP40入り。二つのルーツと「居場所」への思い、世界で得た出会い、4年間の積み重ね、そして家族への感謝をBPM単独インタビューで聞いた。

2022年、Miss World Japanで準グランプリに選ばれたゆりあさん。それから約4年。会社員として働き、ドイツでMBAを学び、社会活動やSNSでの発信など、さまざまな経験を重ねてきた。そして2026年、Miss World Germanyとして、ついにMiss World世界大会の舞台へ。世界大会ではTOP40入り。さらにEuropean Head-to-Head Challenge 1位、European Multimedia Challenge 1位、Sports Challengeランニング部門世界2位という素晴らしい結果を残した。

日本とドイツ、二つのルーツを持つ彼女が、ハーフとして向き合ってきた「居場所」への思い、世界大会で得たかけがえのない出会い、努力を続ける意味、そして夢を支え続けた家族への感謝などロングインタビューをお届けする。

全力で走り抜け、涙が溢れたゆりあさん。写真:ご本人提供

ー まず、世界大会を終えた今の率直な気持ちを教えてください。

ゆりあさん:
一番大きいのは、「やり切った」という達成感です。世界大会に行く前から、順位は自分ではコントロールできないからこそ、「自分にできることはすべてやって、後悔なく大会を終える」ことを一番の目標にしていました。もっと上に進みたかったという悔しさはあります。でも、それ以上に「自分のベストを尽くせた」と言えることへの満足感と感謝の気持ちが大きいです。

写真:ご本人提供

「絶対にドイツをTOP40に戻したい」

世界大会で、ゆりあさんにとって忘れられない瞬間となったのがHead-to-Head Challenge。以前から何度も見てきた憧れのChallengeだった。特にヨーロッパには英語力やスピーチ力の高い代表が多い。その中でヨーロッパ1位に選ばれ、TOP40への進出を決めた。

ー 世界大会を振り返って、最も心に残っている瞬間は何ですか?

ゆりあさん:
Head-to-Head Challengeでヨーロッパ1位になり、TOP40進出が決まった瞬間です。ドイツは長い間Miss Worldで上位進出がなかったこともあり、ナショナルディレクターとも大会前から「もちろん優勝を目指すけれど、まずは絶対にTOP40にドイツを戻したい」と話していました。自分自身でも納得できるスピーチができ、その結果としてヨーロッパ1位になれた。早い段階でTOP40進出を決められたあの瞬間は、一生忘れないと思います。

写真:ご本人提供

4年前とは違う。「目指す場所が変わった」

Miss World Japanに挑戦した4年前は、初めてのミスコンだった。「自分がどこまで行けるのか」。そんな思いから始まった挑戦だったという。しかし今回は違う。同じMiss Worldという舞台を目指していても、そこへ向かう自分自身が変わっていた。

ー 4年前、Miss World Japanで準グランプリを受賞した時と比べて、一番変わったと感じることは何ですか?

ゆりあさん:
一番変わったのは、「目指しているところ」だと思います。4年前は初めてのミスコンだったので、「とりあえず挑戦してみよう」「自分がどこまで行けるのか見てみよう」という気持ちが強かったんです。でも今回は世界大会です。挑戦できるチャンスは一度きりだからこそ、「自分の全力を尽くして、行けるところまで行きたい」という思いがありました。

4年前から夢は変わっていません。でも、その間に会社員、MBA、配信活動など、さまざまな経験をしました。5年前の私はMiss Worldに立つことが夢でした。今回は、その舞台に立った時に何をしたいのかまで分かっていました。夢は同じでも、そこに立つ自分は大きく変わったと思います。

写真:ご本人提供

世界で見えた「積み重ね」の力

世界各国から代表が集まるMiss World。約1カ月をともに過ごす中で、ゆりあさんが強く感じたのは、大会直前だけではつくることのできない「日々の積み重ね」だった。

ー 世界各国の代表と過ごす中で、特に印象に残ったことはありますか?

ゆりあさん:
特に印象に残っているのがフィリピン代表です。18歳だったのですが、ファストトラックの審査でもいくつもの部門で結果を残していて、本当に際立っていました。彼女と話していて驚いたのが、「6年間、このために準備してきた」ということでした。それを聞いた時に、「だからなんだ」と、すごく納得しました。もちろん6年間ずっとミスコンの練習だけをしていたという意味ではないと思います。人前で話すことや英語、モデルとしての活動など、大会につながることを日々積み重ねてきた。大会直前に何をするかだけではなく、それまでをどう過ごしてきたのか。世界大会では、その積み重ねが、その人自身に表れているように感じました。

ー 世界大会を経験して得た、一番大きなものは何ですか?

ゆりあさん:
改めて、「努力は報われる。継続することには意味がある」と実感できたことです。ランニングで世界2位になれたのは、大会のためだけに練習したからではなく、普段からほぼ毎日走り続けてきた積み重ねがあったからだと思います。Head-to-Headも、学生時代からプレゼンやスピーチを何度も経験してきました。Multimediaも、何年もSNSを続け、ほぼ毎日一本の動画を発信してきた積み重ねがあったからこそだと思います。大きな結果は突然生まれるものではなく、誰にも見られていない日々の小さな努力から生まれる。だから今は、「継続は力なり」という言葉を以前よりずっと信じています。

ー 続けることで、「できるようになる」以外にも変化はありましたか?

ゆりあさん:
ありました。実は中学生の頃、人前で発表することが大嫌いだったんです。でも発表する機会を重ねていくうちに、できるようになっただけではなく、だんだん好きになっていきました。嫌いだったことでも、続けることで好きになることがある。だから今は、苦手なことがあっても「続けていけば、いつか好きになれるかもしれない」と思えるようになりました。

お母さまのウェディングドレスを着て、プレゼンテーションを行ったゆりあさん 写真:ご本人提供

世界大会でできた「姉妹」

結果だけが、世界大会で得たものではない。一人っ子として育ったゆりあさんにとって、約1カ月にわたり同年代の女性と同じ部屋で生活することは、初めての経験でもあった。

ー 世界大会で、特に心に残っている出会いを教えてください。

ゆりあさん:
やっぱりルームメイトですね。最初は、同年代の女の子と約1カ月も同じ部屋で生活した経験がなかったので少し不安でした。でも時間が経つにつれて本当に仲良くなって、まるで今までいなかった姉妹のような存在になりました。一緒にいるからこそ、その日の出来事を話して気持ちを発散できたり、「明日はこれがあるから一緒に準備しよう」と言えたりして、すごく支えられました。

ー お互いに競い合う立場でもありますよね。

ゆりあさん:
そうなんです。でも、不思議なくらいお互いを応援していました。私がHead-to-Headでヨーロッパ1位になった時には、彼女が泣いて喜んでくれたんです。それが本当にうれしくて。お別れの日には二人とも泣いてしまいました。大会が終わって振り返ると、結果以上に心に残っているのは、みんなとのつながりなんです。

写真:ご本人提供

次ページでは、日本とドイツ、二つのルーツを持つゆりあさんが長く向き合ってきた「私はどこに属しているのか」という問い、そして世界大会で見つけた一つの答えに迫る。