2020年3月18日(水)、ミセス・グランドユニバース受賞者3名が駐日フィリピン共和国大使館を表敬訪問し、特命全権大使 ホセ C. ラウレル5世閣下に大会の報告をした。大使からは両国の女性がおかれている立場や社会進出など多岐にわたり意見が述べられた。表敬訪問したのは、2019年11月26日(火)にミセス・グランドユニバース 2019 アジアパシフィック代表に選ばれ大会アンバサダーに任命されたフリーアナウンサー 大坪瑠実(おおつぼ・るみ)さん、世界大会でグランプリでを受賞された Life Shift Walking 代表 浅井香葉子(あさい・かよこ)さん、そして大坪さんと同じく大会アンバサダーに任命された女医の中島侑子(なかじま・ゆうこ)さん。

駐日フィリピン共和国大使館にて、特命全権大使 ホセ C. ラウレル5世閣下 と日本国旗を持つミセス・グランドユニバースの3名 ©BPMビューティーページェントメディア 撮影:西田

フィリピンで女性の参政権を得た元フィリピン大統領を祖父に、日本陸軍士官学校でフィリピン人として初めて教育を受けた元駐日フィリピン大使を父に持つホセ C. ラウレル5世閣下にお話しを伺った。

女性の社会進出と日本との歴史そして、気になる新型コロナウィルスについて 語る特命全権大使 ホセ C. ラウレル5世閣下©BPMビューティーページェントメディア 撮影:西田

特命全権大使 ホセ C. ラウレル5世閣下は開口一番、いまのフィリピンではミセスをプロモーションする必要がないと話した。なぜなら、フィリピンは「アンダー・ザ・サヤ(女性のスカートの下に男性はいる)という言葉があるほどカカア殿下の国だからと、冗談交じりに場を和ませた。そして、フィリピンでは女性の地位は男性と平等だとも力強く述べられた。

大使の祖父は元大統領であり、上院議員時代の1928年に女性の権利を主張し、初めて女性の参政権を得ようと働きかけた人物。1935年の憲法委員会議長時代に、女性の参政権を実現させた。このような背景もあり大使自身も女性の社会進出に関心があり、今回のコンセプトである日本人女性の社会進出を尊重すると激励した。大使の父も元駐日フィリピン大使で、戦前の陸軍士官学校出身で東京大学を卒業するなど日本で初めて教育を受けたフィリピン人 。日本が原爆投下され非常に困難な時期にも奈良で暮らすなど日本の歴史についても熟知している。

特命全権大使 ホセ C.ラウレル5世閣下が語る女性の社会進出と日本との歴史そして、気になる新型コロナウィルスに対する見解 ©BPMビューティーページェントメディア 撮影:西田

3人が感じたフィリピン女性の強さと優しさ、そして女性をサポートする男性の姿

駐日フィリピン共和国大使館へ表敬訪問した、ミセス・グランドユニバース受賞者3名と特命全権大使 ホセ C. ラウレル5世閣下 、ラミレス領事、大使秘書の藤江さん  ©BPMビューティーページェントメディア 撮影:西田

中島さんは、「実際に現地のフィリピンの女性が輝いているのを見て、大使の言葉が腑に落ちた」、浅井さんは「昨年初めて訪れたフィリピンで現地の女性の温かさやフレンドリーさに惹かれ、フィリピンが大好きな国になった」、そして大坪さんは「女性の素晴らしさに加え、男性のサポート力や優しさを感じた。日本では男女平等と言葉ではいうものの、女性の社会的地位がなかなか上がらないので、私たちはそこを訴えていきたいと思う」と力強く語った。

先月フィリピンより帰国したBPM編集長西田が大使に新型コロナウィルスについて伺った。

フィリピンでは新型コロナウィルス対策が徹底されており、私が出張中の2020年2月21日時点の日本のレベルとの違いに驚かされたことを大使に伝えると、「フィリピンは、徹底的なウィルス対策をする必要性があるのだ」と大使はおっしゃった。日本は、フィリピンに比べ医療や施設が充実している。フィリピンでは、人口に対して対応できる施設も日本に比べると少ないから、早くロックダウンする必要があったとのこと。フィリピンにはたくさんの観光客が訪れるのでいち早い対処が必要だったのです。 また、ダイアモンドプリンセス号もそうですが、フィリピン人は世界に28.5万人が船員として働いており、全船員の70パーセントを占めるとのこと。先日も、ダイアモンドプリンセス号の434名のフィリピン人の船員を本国に返す任務に携わった大使館員約半数が自宅待機が必要で、大使館が閑散としていたそう。

BPM西田は、2月のフィリピン出張を終え帰国した際に 日本とフィリピンの新型コロナウィルスに対する危機管理意識の違いに驚いたとを大使に伝えた。ショッピングモールやホテルの入り口で検温がなされ、各所に電動のハンドサニタイザーが設置されていたフィリピン。それぞれの出国カウンターをはじめ、ありとあらゆる場所にもハンドサニタイザーが設置され、 帰国のフライトではフィリピン人の客室乗務員が極力乗客と接するのを控え、マスク着用でサービスをしていたことに事など、危機管理の高さを目の当たりにした。打って変わり、日本の羽田空港で降機して自宅に向かうタクシー乗り場までの移動の間、意識的にアルコール除菌スプレーなど探すが、結果一つも見つけることができなかった(2020年2月23日時点)。

大使からミセスの皆様にメッセージ

ラウエル大使は「みなさんの社会に訴えるコンセプトを尊重している。主婦の権利、母の権利を尊重したい」とおっしゃった。日本の戦時中から現在を実体験を通じて熟知している唯一無二の大使は、終始回りを笑顔にするチャーミングなお人柄だった。

駐日フィリピン共和国大使館へ表敬訪問した、ミセス・グランドユニバースの3名 ©BPMビューティーページェントメディア 撮影:西田