2024年9月7日から10月27日まで、東京建物京橋ビルのBAG-Brillia Art Galleryにて開催される落合陽一の個展。それに先立ち都内で6日、落合陽一を招いての記者発表・内覧会が行われた。「現時点での完成度は8割。会期中に100%になるイメージ」と語る落合。日々進化を続ける個展には、発見すると楽しくなる数多くのギミックがちりばめられている。

左は、記者発表会でYKK(八重洲・日本橋・京橋)エリアの昔と今、担い続けてきた地域の役割と今後の再開発について語った東京建物株式会社 代表取締役専務執行役員 小澤克人氏。右は、Brilliaを通して行われているアートへの取り組み、自分らしい豊かさをNew Luxuryとして提案した東京建物株式会社 取締役専務執行役員 秋田秀士氏。

六本木出身でも案外知らない東京(江戸)を知る

六本木出身と語った落合。「東京で暮らしてきた時間は長いのに、案外東京(江戸)の歴史について、宗教的構造に詳しくないんじゃないか」と思い、元来の探求心に火がつき、地元のお店に聞き込み活動を行い面白い発見に出会う。その発見を作品に反映させて見せた。

鰻屋の中央に鎮座する「鰻龍(うなぎドラゴン)」

江戸の龍神像をモチーフに、本体を鰻で表現された鰻龍。鰻龍は年代物の能装束を身につけ堂々としたた佇まいで鰻屋の中央に鎮座する。また、鰻屋の空間には、定期的に昼と夜が訪れ、生成AIにより作り出される誰かからの声掛けに一瞬注意を奪われるなど、江戸時代に現代のデジタルアートを融合させたらどうなるかを体現する新しいインスタレーションとなっている。

インバウンド旅行者がふらっと入ってきて飲み食いするかも。それも込みで作品になる。

ギャラリー準備中に、OLが「お寿司屋さんができたんだね!」という言葉を聞いた落合。勘違いするのは外観だけでなく店内も。一歩足を踏み入れると立派な白木のカウンターが寿司屋特有の清潔感を感じさせる。「土地柄、訪日観光客も多く、寿司屋と間違えて入ってきて、そのままカウンターで食べたり飲んだりしたらどうするんですか?」の問いに、「それはそれで面白いよね。備品など壊れるようなことがない限りでは」と笑って見せた。

天井から降りてくる長い手に握られている捻じ曲げられた鮎。

鮎、小肌、鮪の点描作品。

落合陽一個展「昼夜の相代も神仏:鮨ヌル∴鰻ドラゴン」情報

会期: 2024年9月7日(土)~ 10月27日(日)

会場: BAG-Brillia Art Gallery(東京都中央区京橋 3-6-18)

開館時間:11:00 – 19:00(毎月曜日定休、月曜が祝日の場合は開館)

入場料: 無料