2021年11月27日(土)、 東京ミッドタウンにて「WOMAN EXPO 2021 Winter」が開催され、今年最も活躍した、働く女性に贈られる「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2022」(主催:株式会社 日経BP、後援:内閣府)が発表された。大賞に輝いたのは、女性向けゲームコンテンツ「乙女ゲーム」で東証マザーズ上場を果たし、「もっと、面白く」を企業理念に国内外で独創的な事業を展開するcoly 代表取締役社長 中島瑞木さんと 代表取締役副社長 中島杏奈さんの双子の姉妹。「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」は、女性のキャリアとライフスタイルを応援する月刊誌「日経WOMAN」が1999年から毎年実施している、本年で23回目を迎えるアワードである。

「ウーマン・オブ・ザ・イヤー 2022」に選ばれた8組9名の受賞者

【大賞】coly 代表取締役社長 中島瑞木さん、 代表取締役副社長 中島杏奈さん
【世界に希望を紡ぐ科学者賞】米エール大学 医学部 免疫学 教授 岩崎明子さん
【理系の新・ロールモデル賞】東洋合成工業 取締役 感光材事業部長 平澤聡美さん
【思いやり経営賞】ドムドムフードサービス 代表取締役社長 藤﨑 忍さん                  【子育てダイバーシティ賞】社団福祉法人 麦の子会 理事長・総合施設長 北川聡子さん
【心の揺らぎサポート賞】cotree/コーチェット 代表取締役 櫻本真理さん
【途上国の自立支援に貢献賞】Mpraeso合同会社 CEO 田口 愛さん
【循環型社会へのイノベーター賞】一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン 代表理事 坂野 晶さん


【大賞】coly 代表取締役社長 中島瑞木さん(33歳)、代表取締役副社長 中島杏奈さん(33歳)

中島瑞木さんと中島杏奈さんは、双子の姉妹。圧倒的に女性が少ないゲーム業界で乙女ゲームを開発し数々の大ヒットを生み出す。売上を5年で50倍に成長させ、東証マザーズへの上場を実現させる。社員の10%が外国人というダイバーシティな職場環境のもと、国内のみならず、韓国、台湾、香港にも進出を果たす。ビジネスを成長させるうえで「対話すること」の重要性を感じたことから、起業家の壁打ち相手になるべく、若手女性経営者を育てる投資・経営サポートチーム「MO inv. エムオーインベストメント」を立ち上げた。

【世界に希望を紡ぐ科学者賞】米エール大学 医学部 免疫学 教授 岩崎明子さん(当日は欠席)(51歳)

新型コロナに対する免疫の解明、免疫がウィルスを排除する一方で病気を重症化することのメカニズムなど研究。ワクチンや感染に関する正確な情報を世界に伝えてきた米エール大学医学部免疫学教授の岩崎さんは、ビデオメッセージで受賞の喜びを述べ「働く女性のみなさま、ぜひ希望を持ち、波に立ち向かいながらも自分を信じて仕事の喜びを糧に頑張っていきましょう!」とエールを贈った。

【理系の新・ロールモデル賞】東洋合成工業 取締役 感光材事業部長 平澤聡美さん(56歳)

平澤さんは、感光材事業で世界トップシェアを誇る東洋合成工業における初の女性取締役。NECの研究者として充実したキャリアを重ねていたなか、夫の米国駐在に同伴するために職を辞する。新しい環境でも自分のキャリアを成長させようと現地ベンチャー企業にて社会復帰し国際的な職場環境で自分を磨き続ける。48歳で、東洋合成工業に入社すると、新工場の立ち上げを後押しするなど、数々の業績が認められ会社の急成長の立役者となる。

【思いやり経営賞】ドムドムフードサービス 代表取締役社長 藤﨑 忍さん(55歳)

短大卒業と共に結婚。政治家の夫を支える生活を送っていた藤﨑さんは、夫の病が転機となり39歳にしてSHIBUYA109のアパレルショップの店長に、そしてこれが自身にとっての初就職という異例の経歴の持ち主。51歳でドムドムフードサービスに入社し、そのわずか9か月後には社長に就任。独創的な商品開発と画期的なビジネスモデルで、老舗バーガーチェーンをリブランディングする。コロナ禍で外食産業が苦戦する中、念願の黒字化を達成させた。

【子育てダイバーシティ賞】社団福祉法人 麦の子会 理事長・総合施設長 北川聡子さん(60歳)

社会福祉法人 麦の子会 理事長・総合施設長である北川聡子さんは、札幌市に、発達障がい知的障がいの子供たちを支援する、55の施設を1㎞圏内に設立し運営。社員の3割が施設利用者とその保護者という「療育の村」を実現し、障がいを持つ人とその家族を支援する。大学卒業後に障がいを抱える子供たちに向けた通園施設を立ち上げてから40年が経つ。現在は、有識者会議に参加するなど先駆者として地域社会に貢献する。

【心の揺らぎサポート賞】cotree/コーチェット 代表取締役 櫻本真理さん(39歳)

櫻本さんは証券会社で働いていた祭、自身が鬱になった経験を持つ。様々な理由で鬱になりうる現実とは裏腹に、薬だけに頼る治療に違和感を覚えたことから、起業を決意。臨床心理士やキャリアカウンセラーなど200名以上の専門家がオンラインでカウンセリングを行う 「cotree」を立ち上げた。コロナ禍で会員登録者数が前年の1.5倍となる5万人となり多くの人のメンタル不調に寄り添う。また、2020年には「コーチェット」を設立。人間関係の不調を生み出す原因にもなる、マネジメント層に向けたコーチング取得プログラムを提供している。


【途上国の自立支援に貢献賞】Mpraeso合同会社 CEO 田口 愛さん(23歳)

田口さんは、国際基督教大学に入学後、19歳の時、カカオビジネスでガーナの貧困問題を解決しようと単身渡航する。良質なカカオを生産する農家への利益を還元する豆の買取システムを考案するなど、途上国の自立支援に貢献する大学生起業家として活躍。チョコレート工場の立ち上げには、クラウドファンディングで約420万円の支援を得た。高品質のカカオ生産の構築から販売ルートの拡充まで田口さんの奮闘は続く。

【循環型社会へのイノベーター賞】一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン 代表理事 坂野 晶さん

2003年に日本の自治体として初めて「ゼロ・ウェイスト」を宣言した徳島県上勝町で、NPO法人 ゼロ・ウェイストアカデミー理事長に就任した坂野さん。様々なごみのリサイクルやリユースに加え、ごみを出さない「発生抑制」にフォーカスした数々の実践的な取り組みを打ち出す。19年には、ダボス会議で共同議長を務めるなど、上勝町での取り組みを国内外で発信。海外からもロールモデルとして注目を集める。20年には、一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパンを立ち上げ「ごみゼロ」活動から環境問題への解決に更なる貢献を続ける。

以下日経WOMANプレスリリースより(2021年11月27日):

【ウーマン・オブ・ザ・イヤー2022総括】

 コロナ禍も2年目を迎えた2021年。混沌とした時代に光が当たった女性たちに共通するのは、「人のため、より良い社会を築くために仕事をしたい」という、真摯なまでの力強いメッセージです。「人々に明日を生きる勇気を与えたり、そっと背中を押したり。ポジティブな感情を動かすコンテンツづくりを目指す」と語ったのは、ユーザーの95%が女性のエンタメ会社を双子で起業した中島瑞木さんと杏奈さん。商業主義に流れがちなゲームやネット市場で異彩を放つ2人の存在は、すがすがしいほどに正論をビジネスモデルに組み込む潔さがあります。真っ当であるがゆえに、感情を揺さぶるほどのメッセージ力を有するリーダーたちの言葉は、より良き社会をつくりたいと願う思いに満ちています。「研究者の仕事は税金に支えられているからこそ、社会に恩返しするのが使命」と語る科学者。「キャリアもスキルも筋トレと同じで、継続すれば身に付く」と話すのは、ライフイベントに翻弄されながら半導体業界を広く渡り歩いてきた部長。「数字の達成よりも、“思い”が大切」と言い切る経営者。いずれも組織に多様性を持ち、仲間と共感し伴走しながら、ビジネスで社会的課題に取り組む女性たちが目を引きました。

【ウーマン・オブ・ザ・イヤー 2022 概要】
日時:2021年11月27日(土)
会場:東京ミッドタウン ホールA
主催:株式会社 日経BP 
後援:内閣府

【審査員】
入山 章栄さん(早稲田大学ビジネススクール 教授)、 篠田真貴子さん(エール 取締役)、
村上 臣さん(LinkedIn 日本代表)、 村上由美子さん(MPower Partners ゼネラル・パートナー)