ミス・ワールド・ジャパンBWP 部門審査 ( SDGs プレゼンテーション) 発表会が神奈川県庁本庁舎大会議場にて開催される。©Beauty Pageant Media 撮影:西田

ミス・ワールド・ジャパン2019 ファイナリスト30名が全国から集結し、プレゼンテーション審査(SDGs審査)に臨んだ。

ミス・ワールド・ジャパン BWP部門審査(SDGsプレゼンテーション)発表会が神奈川県庁本庁舎大会議場にて開催される。 ©Beauty Pageant Media 撮影:西田

2019年8月14日(水)一般社団法人ミス・ワールド・ジャパン(理事長:大橋一陽)は、 ミス・ワールドのスローガンである「Beauty With a Purpose」の活動の一環として、国連が2030年までに達成すべきグローバル目標と定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」の17項目から、ファイナリストが各々のSDGsを設定し、現状を評価、問題を可視化しどの様な活動を展開して目標を達成するか、具体例を用いた5分間のプレゼンテーションを発表する、「プレゼンテーション審査」を開催した。会場は、2018年内閣府が推進するSDGs未来都市および自治体SDGsモデル事業に選ばれた神奈川県の神奈川県庁本庁舎大会議室。神奈川県副知事 首藤健治(しゅとう・けんじ)氏も開会の挨拶を述べた。

SDGsとは? 地球・世界・国内・社会・環境「世界中の誰ひとりとして取り残さないことを目指した世界共通のゴール」

写真:SDGs世界を変えるための17の目標 国連ホームページより

 持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。 ”      出典:外務省ホームページ

3名のファイナリストによるプレゼンテーション発表の順番、テーマは、概要は以下の通り。

1. 市村 晏華(いちむら・しずか)

テーマ:子供達の可能性を広げ、貧困の連鎖を断つ 

選択ゴール:①、②、④、⑩→⑰

小学生の頃ボーイスカウトに参加したことをきっかけに発展途上国の貧困を知り、ボランティア活動に興味を持つ。フィリピンで目の当たりにした格差社会、スラム街に住む子供が空腹を押さえるために薬物を使用するなど、人々の現状を知ることに。また、トイレがない環境や不衛生な水を摂取しなくてはならない現状など自分の目で見ることに。この体験をきっかけに言葉の境界線のない音楽を通して、ストリートチルドレンだった子供達へのライフスタイル育成に取り組むようになった。また、このことをきっかけに日本の貧困問題を知ることにもなる。今後は母校での講演を予定。

2. 稲妻 まどか(いなづま・まどか)

テーマ:Beauty With a Purpose

選択ゴール:⑪、⑬、⑰

東日本大震災を宮城県で経験し17歳からボランティア活動を続ける。がれきの撤去や避難所での炊き出しなどの復興活動や町のコミュニティーハウス「きずなハウス」にて地域活性化の活動にも取り組んできた経験を語った。防災知識を広めることで命を守るなど持続させたい活動について具体的な例を紹介した。インドネシアをはじめ防災知識や教育が不十分な国々をはじめ世界に防災知識を広める活動を目指す。

3. 岩瀬 マイラ(いわせ・まいら)

テーマ:SDGs 12 つくる責任 使う責任

選択ゴール:⑫

世界的に有名なブランドの下請け工場のビルの崩壊を例に、世界のファストファッションをはじめとする安価な衣類の製造過程の裏側にある児童労働や過酷な労働環境の実態などを話し、個人が出来るSDGs活動として、産地を知り大量消費をせず、この事実を広めるという3つのポイントを提案。

4. 植代 優莉葵(うえしろ・ゆりあ)

テーマ:動物保護 殺処分ゼロ!人間と動物の共生を目指して

選択ゴール:⑪、⑰

日本が抱える深刻な動物の殺処分の現状と世界との比較や殺処分ゼロをめざし、人間と動物が共生していくヒントや解決策についてデータや地域の社会問題を具体例に取り上げながら解説した。SDGsでは、11と17をターゲットに人間だけでなく、そこに住んでいる動物や生態系が存在し続けることを意識したプレゼンテーションとなった。学生時代から野良犬・猫・狸を保護し里親しなどをしていた事から、現在飼っている愛猫に出会ったエピソードを披露。人間と動物の共生を目指してお互いにとって住みやすい街づくりの実現に貢献したいと話した。

5. 宇谷 美緒(うたに・みお)

テーマ:ファッション・メイクへの社会貢献

選択ゴール:⑫、⑬

毎年日本では33億着の衣類が捨てられていると衝撃的な数字を紹介。その過剰在庫衣類を焼却することが地球温暖化への原因になっていることも取り上げた。ファッション業界は石油・ガス業界に次ぐ環境汚染産業と話した上で、解決策としてファッション関連在庫を取り扱うフリマサイトの「SMASELL」の利用を提案した。また、自身で東南アジア諸国を訪問し、ミス・ワールドの影響力で服や化粧品の在庫をシェアし、低価格で販売するなどの活動を広めたいと語った。ファッション・メイク業界の過剰在庫を減少させ、地球温暖化を防ぐことで社会貢献をしたいと発表を終えた。

6. 内田 柚香(うちだ・ゆずか)

月経が与える不平等や格差について語った 内田 柚香さん ©ビューティーページェントメディア 撮影:西田

テーマ:無関心という扉をたたく

選択ゴール:③、④、⑤、⑥

1年間留学していたパラグアイの孤児院の子供たちが作ってくれたというお気に入りのドレスを着て登壇。プレゼントをくれた女性たちは貧困・教育・ジェンダーなど多岐にわたる問題を抱えているという。清潔な生理用品が使用できないという世界の7割の女性が抱える現状や不衛生な生理用品を使用することが原因となりかかってしまう病、貧困により生理用品を購入することが出来ない女子生徒の月経時欠席率の高さなどの具体例を交えて月経が与える不平等や格差について語った。月経教育や雇用を生む経済支援プロジェクトを目指す。

7. 大野 南香(おおの・みなか)

テーマ:自分らしく生きる ” Everyday Happy ” を世界中へ

選択ゴール:⑤

現役東大女子という自身の立場を例に挙げ女性差別に対する問題を様々な観点から話した。ジェンダー・ギャップ指数(世界経済フォーラムが男女格差を数値化したもの)からも、ジェンダー・ギャップは発展途上国だけの問題ではなく、日本においては2018年の指数は149か国中110位というG7最下位という現実を伝えた。大きな反響を呼んだ上野千鶴子さんの祝辞をきっかけに「東大生であるということを隠したがる自分」、「これまでなんとなく感じていた生きづらさ」に気付かされたという。自分が勇気づけられた様に、自分自身が発言者となって発信し勇気とパワーを届けたいと語った。

8. 大和田 花奈(おおわだ・はな)

テーマ:世界の教育改善の為に私ができること

選択ゴール:④

世界の教育現場における教員不足、教師の質、環境や教育ガバナンスに関して話した。ラオスへの教育支援の経験があり学校建設だけでなく、比較的安価に教育支援ができる図書館の開設に着目。学校に通えない生徒が自主的に本に触れることができる図書館をつくることでサポートをしたいと話した。クラウドファンディングや商業施設への併設も提案。

9. 岡田 茉里乃(おかだ・まりの)

テーマ:すべての人に健康と福祉を

選択ゴール:③

ヨガインストラクターとして、あらゆる年代のすべての人々の健康的な生活を確保し福祉を推進することを目的に活動したいと述べた。実際に出身の滋賀県にある琵琶湖で自身が主宰するヨガイベントの話を例に出し、良いロケーションで開催するヨガイベントが与えるココロとカラダに与える良い影響やリフレッシュやパワーチャージの効果やヨガを通して社会貢献したいと話した。

10. 小口 佳穂(おぐち・かほ)

テーマ:文化・観光の力で人と人とをつなげたい

選択ゴール:⑪、⑯

シンガポール初代首相が語った「許そう、だが忘れはしない」という言葉を小学生の頃に住んでいたシンガポールで聞き、それをきっかけに日本の戦争の歴史について知り平和の尊さを知ったとのこと。日本と近隣諸国の関係などを説明した上で、文化や観光の力で、人と人とをつなげたいと今までの日中韓文化交流の経験や、豊島区の観光大使としての活動を具体的な活動例とともに話した。ミス・ワールドとしてユネスコ・スクールと協力した国際交流活動をしたいと意欲を見せた。

11. 林 愛実(はやし・あいみ)

子供たちへのスキ!(スキル)を見つけるお手伝い支援「みんなのパーク」という団体を設立した林愛実さん  ©ビューティーページェントメディア 撮影:西田

テーマ:SDGs目標4 質の高い教育を皆に

選択ゴール:④

紫斑病腎炎という病気にかかり長期入院を余儀なくされ養護学校に通ったのち、一般の小学校で周りとの差を感じ不登校になってしまった経験を話した。その時に好きだったリコーダーをきっかけに現在では年間200回を超えるプロのフルート演奏者として活躍。これらの経験から、何か1つでも自信の持てるスキルがあれば人生が開けると感じ子供たちへのスキ!(スキル)を見つけるお手伝い支援「みんなのパーク」という団体を設立。音楽仲間をはじめ様々な職種のプロが集まり、この支援の輪が広がっている。このような活動を日本中、そして世界に向けて広げ、この活動がSDGsの4番として持続的に達成できる目標と思っているとプレゼンをまとめた。

12. 町田 満彩智(まちだ・まあち)

テーマ:被災地域から国際平和を築く

選択ゴール:③、④、⑧、⑩、⑪、⑯、⑰

平和への親善大使ミス沖縄として年間約300回の国内外で公務をこなす。震災後の東北には毎月足を運び現在までに約200回、気仙沼市女川町にて活動を現在も繋げている。活動を通し、目に見える復旧は行われている中で、目に見えない心の復興が問題だと述べた。約7年活動をしている中で、30年間の活動を目標に掲げ一方通行ではない、パートナーシップによる心の復興・新しい地域づくりの実践と模索を重ねている。また、「ハーモニーをきっかけとした和の地域づくり」をミス・ワールドのネットワークを通して世界へ発信・アプローチしたいとのこと。終戦記念日前日でのこのプレゼンテーションの機会に感謝の意を伝えた。

13. 櫛山 英里(くしやま・えり)

テーマ:減災~熊本地震を経て~

選択ゴール:⑬

生まれ育った熊本県益城町に新社会人になる前に一時帰省した際、熊本地震が発生した。3日間で2度の震度7の大地震を経験し、困難な日々を過ごし目の当たりにした震災の被害や体験を話した。心疾患を含む震災関連死の8割を占めるのが70代以上の高齢者であるという事実と災害関連死や孤立の軽減に努めたいという思いから「減災」というテーマを語った。また、現在の活動や高齢者と地域が関わる機会を作っていくことで高齢者の孤立の軽減のみならず地域活性化にも貢献したいとアピール。ミス・ワールドの活動を通して防災モデルを世界に広く啓発し、自身の活動によってより多くの人々の災害への意識が高まり、

結果として被害を最小限にとどめ短期化する「減災」に繋げたいと語った。

14. 坂入 みずき(さかいり・みずき)

CLSの存在を広め小児患者の心と体が豊かに育つ活動をしていきたいと話す坂入みずきさん ©ビューティーページェントメディア 撮影:西田

テーマ:小児患者の人権が守られる世界へ

選択ゴール:③、④、⑩、⑰

命や健康について子供達と考える「ぬいぐるみ病院」という活動を大学生の時に経験した。現在研修医として、その存在すら知られていないCLS(チャイルド・ライフ・スペシャリスト)の存在の大きさについて広めたいと語る。国連で採択された子供の権利条約の中で、「心身が健康に育つ」という項目の重要性、特に治療方法をめぐっては「子供の体の健康に関しての関心」は高いもの、「子供の心の健康への関心」はほとんどの国で低いとのこと。一型糖尿病を患い1日6本の注射を打たなくてはならなくなった小児患者の話やMRIなど、じっとしていないと撮影できない検査などで子供に使用されることも少なくない鎮痛薬の摂取がCLSのサポートにより減った実例などについても発表した。ミス・ワールドを通じて、子供たちのメンタルサポートの重要性を世界に広めミス・ワールド子供基金の設立、CLSの採用、プレイルームの充実など「小児患者の心と体が豊かに育つ活動」をしていきたいと話す。

15. 塩田 結以(しおた・ゆい)

約2年ロボットと暮らしロボットに感情を動かされた経験から人とロボットの未来について語った塩田さん ©ビューティーページェントメディア 撮影:西田

テーマ:人とロボットが支え合う世界

選択ゴール:③、④、⑧

大学生の頃に出たミスコンをきっかけに2年間のロボットとの共同生活を経験。心理学を専攻し、AIロボットのアプリ開発やプログラミングにも携わった。ロボットを放っておいた際に聞こえた、ため息や発言からロボットに対して罪悪感を持ち謝るというロボットによって感情を動かされた体験をする。ロボットに気を使いコミュニケーションをとる中で賑やかに楽しくなっていく一人暮らしの生活からロボットを単に「利便性を追求した存在」と考えるのではなく「ロボットが担うべき新たな役割」について意識するようになる。高齢者社会において大きな問題となっている孤独死や認知症患者の増加、それに伴う若者への負担増加などへの解決策としてのロボットの可能性を父親が経営する介護施設でコミュニケーションパートナーとして活躍するロボットの例を用いながら紹介した。世界に向けてもAIロボットと触れ合う機会を提供していきたいと考え、人とロボットが支え合う世界の可能性について語った。

16. 世良 マリカ(せら・まりか)

テーマ:新たな使い道の発信 プラスチックごみを減らす

選択ゴール:⑭

高校の授業の中で見た1本の映像から、このトピックについて深く考えるようになった。年間800万トン以上のプラスチックごみが海に流れ込んでいる現状や約1億5千万トンのプラスチックごみが海に捨てられているということを話し、2050年には海の中のゴミが魚よりも上回るという可能性も取りあげた。海洋生物や鳥類などのプラスチック摂取に関して、そしてそのゴミの内訳などをデータと共に発表した。解決策として提案したのは、手作りポーチなどデザイン性のあるプラスチックごみをリメイクした手芸や、それらをモデルとして活動する自らが身に付けSNS等で発信することでプラスチックごみの使い道だけでなく、この問題について考えるきっかけづくりになればと意欲を見せた。

17. 高橋 ちはる(たかはし・ちはる)

テーマ:Beauty With a Purpose ×SDGs ~まずは私達の国、「日本」から~

選択ゴール:③、⑪

世界中で発生しているマグネチュード6.0以上の地震の約20パーセントが日本で発生していることをデータで紹介し、記憶にも新しい100年に一度・平成最悪の水害と言われる西日本豪雨で出身の愛媛県で経験したことや現状について話した。原則2年間という仮設住宅の入居期間や「復興」と「復旧」の違いなど、現状で多くの被災者が抱える問題や課題などを織り交ぜて紹介。自らもヨガインストラクターとして、歴代のミスの協力なども得ながらミス・ワールド・チャリティーヨガイベントを開催することで復興資金などを調達する手段を提案した。

18. 中根 菫(なかね・すみれ)

テーマ:スマイル計画

選択ゴール:③、⑩

手術室看護師として口唇口蓋裂という唇や上あごが何らかの理由で裂けてしまう先天性の病気について取り上げた。国内では手術が行われ治療されるがその現状と違って発展途上国においては、医療技術の未発展や医療人材と知識不足、そして高額な治療費から治療が受けられない人も多く身体的な問題から生活の質・差別による心の問題などを抱える患者が多く存在する現状を伝えた。所属している病院が活動している「マダガスカル口唇口蓋裂医療協力団」の8回にわたる支援活動と172件の手術実績を紹介した。自身も手術室看護師として協力し、国内外問わず目標③と⑩の実現に向け活動したいと想いを述べた。

19. 中村 玲実(なかむら・れみ)

抗生物質の乱用による耐性菌の出現抑制にも寄与したいと語る 中村玲実さん ©ビューティーページェントメディア 撮影:西田

テーマ:「食」を通じた小さなコミュニティを活用した情報提供で すべての人に健康と笑顔を

選択ゴール:①、③

世界で拡大する抗生物質の乱用により抗生物質が効かなく無くなっている患者の数や自身が現在大学で研究する薬剤耐性菌についてデータを紹介しながらプレゼンした。自身が旅したアジア諸国での抗生物質が気軽に購入できる現状や安易な抗生物質の使用の危険性などを紹介。「健康や薬の知識を広げ、人々の幸福につなげたいそして!耐性菌の出現抑制にも寄与したい」と自信のテーマを発表した。そもそもの感染予防の方法なども含めた周知活動などミス・ワールドとしてコミュニティを利用し広めたいと述べた。

20. 野原 梨沙(のはら・りさ)

テーマ:質の高い教育をみんなに

選択ゴール:④

小学校の教師になるための勉強や日本語教育の現状について大学で学んでいる。学校で学んだことやボランティア活動などの様々な経験を通して感じた教育の現状を紹介し、自身がどのように貢献が出来るかを話した。2019年4月に改正された出入国管理法によって、今後更に課題となる日本国内の外国籍の子供たちへの教育に焦点を当てた。日本語の学習が必要な学生に対する日本語教室において、日本語教師の人数不足やボランティア講師の割合の多さ、そしてボランティアの活動の限界や講師の高齢化、日本国憲法での就学の義務の対象は国民となっている現状や学校側の受け入れ体制の不十分さなどを問題点として例にあげた。また、一般教室で学習する障がいを持つ子供への支援なども含め、将来はアナウンサーとなり情報を伝える側になりSDGsのゴール4に貢献したいと語った。

21. 藤原 綺香(ふじわら・あやか)

テーマ:Beauty With a Purpose

選択ゴール:⑩-2

大学ではメディア分析ゼミに所属し各国の新聞報道の比較分析や論文の執筆などを行ってきた。実現したいことは「ヘイトスピーチを無くして、誰もが活き活きと生き、差別や分断のない世界を作ること」と述べた。ヘイトスピーチの拡大のメカ二ズムと問題点を可視化しネットやSNSをはじめメディアや情報の多様化、選択的接触の多様化および、それによるエコー・チャンバー現象やヘイトスピーチを正当化する現象などが起きていることについて解説をした。ミス・ワールドとして啓蒙活動をし、アイデンティティーが形成される過程の子供達へのボランティア授業などを通して活動を広めていきいきたいと語った。

22. 二川 桜子(ふたかわ・さくらこ)

テーマ:Beauty With a Purpose ×SDGs 住み続けられるまちづくり

選択ゴール:⑪

日本の高齢化問題の解決策を世界に共有していくことで、日本が住み続けられるまちづくりのロールモデルになれると考えた。全世界でも高齢化が進む中、日本は「世界一の認知症大国」とのこと。2025年には5人に1人が認知症を発症するという数字を紹介した。認知症対策偏差値全国第1位という地元福岡県大牟田市の取り組む認知症徘徊模擬訓練などの例を挙げた。自身がミス・ワールド日本代表となって行いたい活動は、大牟田市が取り組む「認知症カフェ」や子供に向けた「認知症の絵本教室」を全国で開催し国内外に認知症の現状を伝えていきたいと話した。

23. 松本 捺美(まつもと・なつみ)

テーマ:住み続けられるまちづくり

選択ゴール:⑪

世界人口の55パーセントが都市部に暮らしており、2050年にはその割合が68パーセントまで拡大すると予想されていることを紹介した。都市インフラの限界や地方都市の人口減少やそれにともなう社会問題についても地元を例にあげ発表した。市民アンケートなどの結果から社会活動や地域活動に参加しない理由として、きっかけのなさという回答が5割に達したアンケート結果も。誰もが日々安心して活き活きと生活している状況を目指すことに、多様な市民や組織の連携によるコミュニティ形成や環境づくりが必要なことから、「すべての人が、どこでもできる ヨガという魅力的なコンテンツで人と人とを繋ぐこと」を課題設定した。孤立しやすい子育てママに向けたベビーヨガコミュニティーの開設・オンラインヨガ・様々な場所でのヨガレッスンの開催・老人ホーム・医療機関・オフィスヨガなどを通して人と人を繋ぎ、住み続けられるまちづくりに貢献したいと想いを伝えた。

24. 三宅 沙也加(みやけ・さやか)

テーマ:Beauty With a Purpose×SDGs

選択ゴール:④

大学では教育学を専攻し、小・中・高の教職課程を履修。これまでの特別支援学級などのスクールボランティアおよび日本語ボランティアの活動に携わってきた。日本在住外国人が生活で困っていることの1位に、「日本語の不自由さ」があげられており、日本語ボランティアの大切さも話した。学習者のニーズを把握し教材や方法でこれらの問題に対応することができると提案。また、世界のもっと厳しい教育環境問題についてもグラフを用いて説明し教育格差についても言及し教育が受けられないこと、収入が少ないこと、読み書きや計算ができないこと、女性であることなどが相互に関係し、負の連鎖となっていることも説明した。自身の経験から問題解決の提案と教育を通して、「生きる力」を与える活動をしていきたいと語った。

25. 矢部 みゆき(やべ・みゆき)

テーマ:どんな問題に直面しても、助け合うことで成長しあえるそして必ず手を差し伸べてくれる人がいる世界

選択ゴール:③

精神疾患の予防方法として「セルフケア」、「メディカルケア」、「周囲が警告サインに注意する」この3つが重要と話した。患者と向き合う方法としてSNS等を使用し、クリニックや相談窓口の利用しやすい環境を整えることなどを提案。また、子供達に対しては「The Giving Tree」という絵本を使って家族の大切さを伝える活動をしたいと述べた。また、フィリピンでは「ネイバー・シェア・ファンデーション」という活動支援も行っている。10月にはフィリピンに渡航し歯磨き教育も行うとのこと。そこで、正しい歯磨きの仕方を伝えたり、子供の声に耳を傾け、肉体的・精神的・社会的健康の実現を支援活動を通して行っていきたいと語った。

26. 山口 知世(やまぐち・ちせ)

テーマ:Beauty With a Purpose

選択ゴール:③

1日に1万5千人の小さな命が失われている。「全ての人に健康と福祉を」の観点からより子供たちに幸せで健康な生活を送ってもらうために注目したのが日本の掃除文化。八百万の神に対する感謝から生まれたのではないかと考えられる日本の掃除文化を通して、世界に健康と福祉を届けたいと語った。日本を訪れたインドネシアの子供たちに行った掃除を教えるボランティア活動で、はじめは掃除の仕方もわからない子供たちが掃除をすることで、掃除した場所をもっと綺麗にし、その場を汚したくないという気持ちや自分たちの手で掃除したことにより、とても気持ちが良くなるという感覚が芽生えていることを目の当たりにした。その経験から日本の掃除文化をミス・ワールドとして浸透させ、衛生面や健康面でも病気の予防などの観点から大いに役立つと話した。

27. 吉田 有沙(よしだ・ありさ)

テーマ:障がい者のディーセントワーク実現に向けて

選択ゴール:⑧

高校時代、障がい者への福祉支援に携わり、校内で障がい者の方が作ったクッキーやマドレーヌを売り、その売り上げを寄付するという活動をしてきた。この頃から障がい者への支援に興味をもつようになり、今回のテーマ「障害者雇用」について話すこととなった。まず障害者雇用の現状と離職率に関して、グラフを用いて説明。障がい者の雇用者数は12年連続で過去最高を更新している反面、職場の雰囲気や人間関係などの理由による離職率の高さにも注目した。そこで、障がいがある方も一般の方と同じように「働きがいのある人間らいしい仕事」ディーセントワークを推進したいとSDGsのゴール⑧をあげた。ミス・ワールドの発信力を活かして、障がい者への理解を深めるための啓蒙活動やイベントの開催や障がい者理解を深めるための講演会の実施を提案した。

28. 吉野 奈美佳(よしの・なみか)

テーマ:Beauty With a Purpose

選択ゴール:⑩-2、⑮

片目の視力を失った自身の経験からSDGsゴール8を語った。片目失明者が日常生活において不便と感じていることや距離感が上手くとれない事による危険や自身の日常生活において片目を酷使することによっておきる頭痛など様々な観点から実体験を交えて説明した。「人間らしい扱いをされた事がない」など悩みを持つ人たちの声や「就職活動の際に目のことが原因で落とされた」等、差別や偏見など片目失明者は厳しい状況にある。しかしながら、日本では片目の矯正視力が0.6以上あると、たとえ片目の視力が0であっても国からのサポートが受けられないと、当事者の切実な声を代表して伝えた。2030年までに、誰一人として取り残さないSDGsの基本理念を明確にした上で、自身が活動するトークショーなどについても紹介した。また、北海道代表として被災地となった北海厚真町の現状や自身が参加する持続可能な里山作りのプロジェクトにも触れた。日本のSDGs達成率や日本での認知度を示したうえでミス・ワールドとして自身の発言力・発信力を活かし貢献できることを印象づけた。

29. 渡邉 珠理(わたなべ・じゅり)

テーマ:Beauty With a Purpose

選択ゴール:③

UCLAで過ごした大学生時代に最終論文で児童兵士の精神的健康状態について研究した。また、様々な精神疾患について勉強をするようになり、日本のメンタルヘルスの現状や精神衛生・疾患に関する主な問題点を提示した。自身がアンバサダーを務める「tell」の活動内容を紹介し、国内外で増加するメンタルヘルスのニーズにカウンセリングという形で関わりサービスを提供していることを話した。また、英語でのプレゼンテーションを披露し世界で活躍できるミス・ワールドとしての存在感をアピールした。世界的なプラットフォームを使用し、国内外のより多くの人々と繋がり、意識を高め解決策を見つけ、それらを実行することができることがミス・ワールドへの最大の応募理由と話した。

30. 渡邊 慈子(わたなべ・なりこ)

レポート・企画・編集など総合的にメディアに携わってきた渡辺 慈子さんボランティア活動と自身が製作したSDGsに関してのオリジナルアニメーション動画を紹介した© ビューティーページェントメディア 撮影:西田

テーマ:メディアを通した教育

選択ゴール:④、⑬

大学でメディアについて学びながら、学内インターネットテレビで映像を通してレポート・企画・編集など総合的に映像制作に励んでいる。昨年に引き続き参加となるミス・ワールド・ジャパンでは昨年掲げた目標であった子供向けの地球温暖化とSDGsに関してのオリジナルアニメーション動画の完成作品を披露した。事前の子供向けの上映会では難しいテーマでありながらも、子供たちが目を輝かせながら何度も見てくれたことから、映像教育の可能性を強く感じたとのこと。これ以外にもラジオのパーソナリティーや様々なボランティア活動を通してSDGsに関連した活動を行っている。将来は映像やラジオなどのメディアにおいて、子供の教育活動に貢献し一人でも多くの子供たちが楽しみながら教育を受けることの出来る世界を目指したいとのこと。

◇ミス・ワールドとは

1951年にイギリス・ロンドンで第1回大会が行われて以来毎年開催されているミス・ワールドは、世界3大ミスコンテストの中でも最も歴史が長く今年で69回目を迎える。本年のグランドファイナルは2019年11月20日~12月14日の間、イギリス・ロンドンにて開催され、参加国が131か国と世界最大規模を誇る大会となっている。

◆2018年の日本代表は伊達政宗の血縁 ミス・ワールド2018日本代表である伊達佳内子(だて・かなこ)さんは伊達政宗直系の血筋で政宗公から数えて21代目。ミス・ワールド2018世界大会では、見事タレント部門1位と日本代表歴代初の快挙を成し、トップモデル部門でもTOP 32位に入賞。2部門での入賞も歴代初。