©BPMビューティーページェントメディア 撮影:西田

世界に星の数ほどビューティーコンテストが点在する中、世界3大ミスコンとして名が通り、歴史と権威のある「ミス・ユニバース」。その世界的なコンテストのミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクターとして世界大会を終え、まさに今、2020年の運営をスタートさせたばかりの美馬寛子(みま・ひろこ)さんに、ミス・ユニバース・ジャパン黄金期と言われた時代の日本代表の経験やナショナルディレクターとしての思いを聞かせて頂きました。

日本代表として、ナショナルディレクターとして美馬さんが思うミス・ユニバースとは


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西田:ミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクターとして世界大会を終えられた今、振り返ってみていかがでしたでしょうか?

美馬さん:ナショナルディレクターを任され、オーディションの段階から準備をスタートする初めての年だったということもあり、慌ただしくも学びの多い1年だったと思います。そして、世界大会を含めこの経験が2020年に繋がればと思っています。

西田:2008年に日本代表として世界大会TOP15 (14)に選ばれた際のコンテスタントとしてのミス・ユニバースと、ナショナルディレクターとして関わった今大会は、異なった景色が見られたのではないでしょうか?

美馬さん:大会当日(本審査)は運を天に任せるといった心境でしたが、実はプレリミナリー(事前審査)がとても緊張しました。出場者として参加していた際は、メイクやヘアセットなど慌ただしく時間が過ぎ、気づけばステージに立っているという感覚だったのですが、ナショナルディレクターとして携わった今回は、待つ時間が長い分、出場者本人はもちろんでしょうが、私も緊張する時間が長く、転ぶなどのハプニングもなく終えられることを祈ってずっとドキドキしてました。

大統領選挙のスピーチを思わせるような南アフリカ代表のスピーチから読み取れるミス・ユニバースの発信力の力強さ!


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西田:美馬さんが感じるミス・ユニバースの、他とは異なる魅力をお聞かせください。

美馬さん:ミスコンによって主催国が異なりますが、ミス・ユニバースの主催国はアメリカということもあってエンターテイメント性が高いと思います。その結果、高い発信力が求められますし、そこがミス・ユニバースの面白いところです。また、優勝者をみてもその時の時代背景が最も反映されているコンテストだとも思います。なかでも今大会には、ナショナルディレクター達全員がびっくりするくらいのレベルのジャンプアップがありましたね。今までは大会によって外見的な美に関するジャンプアップはあったかもしれませんが、そういうことではなくて、優勝者のツンジさん(南アフリカ)のスピーチは、まるで大統領選の演説を聞いているようで、内面から湧き上がるような訴える力が求められる時代になってきたのかなと感じました。

西田:他のミスコンでもそうですが、ミス・ユニバースにおいても、ここ最近特にブラックビューティーのパワーを感じるのですが実際にいかがですか?

美馬さん:はい。それは感じましたね。既に、各国代表のコンテスタントからもアフリカ系の方々が多かったんですね。ミス・USAやミス・ティーンUSAもそうです。ミス・ユニバースではツンジさんはショートヘアですけれど、ウェーブや大きめのヘアスタイルなど、典型的なアフリカンビューティーを感じさせられました。

西田:外見の美しさももちろんだと思いますが、自分らしさを表現することにも優れていたのでしょうか?

美馬さん:そうですね。彼女たちの中には、日本人にはなかなか想像しづらい環境で育ってきた方もいて、スピーチにおける自分の軸、ストーリーがしっかりしている。だからこそ訴える力が培われてきたと思うし、20歳そこそこですけど、経験したことが並大抵ではないこともあって、今年は特に「訴える力」や「引っ張っていく話し方」が求められたのではと思います。

今回TOP3になった、南アフリカ、メキシコ、プエルトリコのスピーチをみても、今までのミス・ユニバースであれば、「私がミス・ユニバースになったら○○をしたいです。ミス・ユニバースになるために△△をしてきました」というのが多かったのですが、今回は、「いち女性として何がしたいか、人間として何をするべきか、といったことを強く訴えていて、今までのスピーチスタイルとの変化を感じました。

西田: 2020年はミス・ユニバース・ジャパンのトレーニングにそういった流れや変化を踏まえた新たな考え方や取り組みが組み込まれるのでしょうか?

美馬さん:個人的に、一女性として、自分は何がしたいのか、何がゴールなのか、そのステージに立って何の意味があるのかを明確に分かっていて、それをしっかり自分の言葉で伝えることができる人材を選び、トレーニングで磨きをかけていくことが必要になってくると思います。

ミス・ユニバースに挑戦したきっかけ・ミス・ユニバースならではの異文化体験


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西田:12年前、ご自身がミス・ユニバースに挑戦したきっかけをお聞かせください。

美馬さん:徳島出身で、大学で上京してきたのですが、私が大学1年生の時に、父が事故で他界したこともあり、「明日人生どうなるかわからない」という感覚をもつことになり、大学での4年間は東京でしかできないことをしたい、まだ今のようにスマートフォンが普及していない時代でしたし、SNSも充実していない時代でしたので、誰でも簡単に情報が得られる状況ではなかったので、「体験をする」というのがとても大切な意味を持っていると思ってました。

ですので、音楽鑑賞に行ったり、美術館に行ったり、自分の田舎ではなかなか体験できないようなことをしていました。その中で、一女の子としてキラキラした世界に憧れもあり、ミスコンの世界に足を踏み入れることになったのです。しかし、自分が最初に関心をもったあるミスコンでは、「あなたは日本人らしくないから優勝することはできないよ」と言われたんですね。それを聞いたときに、両親ともに日本人ですし、日本で育った純粋な日本人である私にとって、「日本人らしさとは?」を考えるようになったのです。当時はまだなかなか個性が認められる世の中ではなく、今後は、自分の個性を消して周りに順応していくのか、自分の個性を受け入れてくれる環境を探し続けるのか、たくさん悩みました。結果、そのミスコンは辞退し、個性に対する理解が深いミス・ユニバースに挑戦することを決めました。また、ちょうどその頃に、森理世さんがミス・ユニバース世界大会で優勝したニュースを見て彼女に憧れ挑戦への原動力になりました。

西田:ミス・ユニバース世界大会で最も印象に残る体験やエピソードをお聞かせいただけますか?

美馬さん:色々ありますが、世界各国の代表が集うある意味オリンピックのような大会がミス・ユニバースです。私の時はベトナムで世界大会が開かれたのですが、北欧からのあるコンテスタントは、そもそも自分の国に蚊がおらず、蚊に刺されるとマラリアに感染するという心配が強く、飲み薬を服用したところ、その副作用が出てコンディションを崩したり、南米など暑さに慣れた国から出場した代表でも、その湿度の高さに順応できなかったりと大変な中、日本は、夏には蚊がいて当たり前、湿度の高さにも慣れており、意外と環境への順応性が高いことを実感しました。あと、話題の興味の対象が独特だなと感じました。というのも、どの国でもそうかもしれませえんが、日本では、女の子たちが集まると、お洋服だったりメイクだったり、そういった話で盛り上がるものですが、世界大会コンテスタントたちは、互いに互いの国についてだったり、時には政治や宗教などが話題になるなど、普段と異なる環境であることを感じました。

西田:加茂さん(2019年ミス・ユニバース日本優勝者)に、美馬さんについて伺った際に、「力強さが内面から常に溢れている・憧れの女性」とおっしゃっていましたが、その力強さはご自身でも自覚されていますか?もし、そのように感じるのであれば、その力はどこからくると思われますか?

美馬さん:どこからなのでしょう?(笑)意志が強いのかな?自分が感じていることを素直に表現している。心の声をダイレクトに発信できているからなのかもしれません。もちろん、周りの方がどう考えているとか状況やTOPに応じて話をすることも心がけておりますが、自分のインタビューであったり、ミス・ユニバースの女の子たちに対しては、求められているであろうことを探りながら話すのではなく、そもそも自分の答えは自分の中にある、これを彼女たちに伝えてあげたいという意思が明確にあるので、それがおそらく強いパワーとなって届いているのかと思うんです。

西田:美馬さんはコンテスタントのストーリーを大切にされるとうかがいましたが、どのようにストーリーを引き出すのですか?

美馬さん:一人一人が持っている自分の個性って、若い時にはわかりにくいと思うんですね。「個性を大切にしなさい」と言われても、頭では言葉の意味を理解しつつも実際には、どうすればよいのかと考えてしまう。それは当たり前のことだと思うんですね。個性とは自分が生まれ育ってきた環境によって作られてきたものだと思うんです。周りを見渡せば、綺麗な人や素敵な人はたくさんいますが、その外見の美しさを競い合っても意味がない。個性を競い合うことが大切になる中で、自分が隣の人と何が違うんだろうと考えることがストーリーであり、見つけたものが個性なのだと思います。

西田:日本はどちらかというと学校の授業からもイメージできるように、「聞く」ことを中心に学んできたので、なかなか自分の力で考え自分の言葉で周りに発信することに慣れていないと思うのですが、強いメッセージで皆の背中を押す美馬さんからみてその点はどう思われますか?

美馬さん:教育がとても大切で、変えていかないといけないところではないでしょうか?高校まで勉強したとして12年間、主に聞くことと覚えることを続けてきて、急に今度は聞くのではなく話しなさい、というのは無理があると思います。そもそも、私は昔から自分の意見をどんどん伝えるほうだったかどうか、わかりません。生まれ持った性格もあったかもしれません。今思うと、親への感謝になるのですが、私には2つ上の優等生の姉がいるのですが、両親は一度も姉と私を比べてものを言うことがなかったですし、学校から呼び出しを受けた際(笑)、その理由が、皆と同じことができないとか、理解ができないという理由からくる先生への口答えであった場合には、いっさい私に対して咎め事はなかったです。つまり、今思うと、先生には頭を下げながらも、子供の個性を理解し大切にしてくれていたのだと感謝しています。個性を大切にする教育というのが今必要で大切なことなのではと思います。

昨年ご結婚されたばかりの美馬さんに、12年変わらぬ美しさをキープする秘訣など伺いました!


©BPMビューティーページェントメディア 撮影:西田

西田:美馬さんのプライベートについて少しお聞かせください。12年前とお変わりなく体形や美しさをキープされている美馬さんですが、日々続けているビューティーTIPsを読者に教えてください。

美馬さん:食に関しては、私はペスカトリアンでお肉を頂かない生活を9年ほど続けていて、体がシャープになったと思います。ジムには週3回ほど通っています。体形維持というよりは、マインドをリフレッシュできる大切な時間です。私は、意識が体形に影響を及ぼすと考えているので、気分転換出来てマインドをリフレッシュできるジムワークはストレス発散の大切な時間です。私にとってはジムが合っているのですが、これがヨガであっても、散歩であってもみなさんに合ったものが良いのだと思います。

西田:ジェットセッターな美馬さんは、今まで世界中をたくさん旅されてきたと思いますが、お気に入りの都市はどこですか?その理由もお聞かせください。

美馬さん:世界中の多くの国々を旅しましたが、若くて体力のあるうちに行かれることをおすすめしたい都市でしたら、イスラエルのテルアビブです。宗教に詳しいわけではないですが、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教がスタートしたエリアであり、みんなが知っている4000年前のストーリーがそこにあると考えるだけで、鳥肌がたつくらい感動しました。

西田:今一番気になるニュースは?

美馬さん:人権問題や、世界で起こっている異常気象です。先日訪れた南アフリカでは、通常は暑い時期にジャケットが離せないほど寒かったり、雨が降らない中東の都市ドバイで大雨が降るなど自身が経験し、現在もオーストラリアでは火災が続き多くの野生動物が被害にあうなどのニュースを見ると、自分でできることは微々たるものかもしれませんが、関心を高く持っているニュースです。

ミス・ユニバースに挑戦しようと思っている方々にメッセージ


©BPMビューティーページェントメディア 撮影:西田

西田:現在、2020ミス・ユニバース・ジャパンの出場者を募集中ですが、どんなかたに挑戦してほしいですか?

美馬さん:

ミス・ユニバースは、皆さんが想像するような、身長が高くて、英語が話せる人の大会ではもはやないということ。今までは、若い女性のリーダーを作る、というところがあったのですが、今は「この人だったら自分の声を力に変えてくれるんだ」と思わせる力がある方。もちろん、それはトレーニングでも磨いていくものではあるのですが、何がしたいか、何を訴えたいか、それを心の中にしっかり持っている方、ミス・ユニバースになって何をしたい、挑戦しようと思う理由、ゴールが明確である方でないと世界で上位に残っていくのは難しいのかなと思います。今の人たちはSNSなどで発信することに慣れている世代。このミス・ユニバースを使って自分を発信していってもらいたいと思います。

西田:最後に、2020ミス・ユニバース・ジャパンに挑戦を決めた方や検討している方に向けたメッセージをお聞かせください。

美馬さん:

今までのミス・ユニバースとベースは変わらないですが、やはり訴える力が求められている時代なので、これから応募しようと考えている方、すでに応募している方、自分の心の中に、自分はなにをしたいのか、何のためにここにいるのか、それがミス・ユニバースにいる、ではなく、何のために自分の人生があるのか、何に向かって進んでいるのか、について、明確に話ができるように今から頑張ってそのなぞ解きをしてもらいたいと思います。もちろん、サポートはしますので!

美馬寛子さん プロフィール

©My group Co., Ltd 撮影:レスリー・キー

ミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクター /MY beauty School ディレクター
・生年月日:1986年12月5日 ・出身地:徳島県 ・言語:日本語・英語 ・趣味:スポーツ・海外旅行

略歴

2008ミス・ユニバース日本代表として、同年開催された「ミス・ユニバース世界大会」に出場 し、Top15、Best of Asiaの成績を収める。 その後インターナショナルモデルや、「ミス・ユニバース」での経験を活かし、外見だけでなく 内面を磨くメソッドを、多くの日本人女性に指導する活動を日本とシンガポールで開始。 ミス・ユニバースから10年後となる2018年、「真に美しい現代女性の発掘と育成・発展を総合 的にプロデュースを行う」ことを目的として、株式会社MY groupを設立。

同年、アメリカ本国IMG Universe社(ミス・ユニバース・オーガナイゼーション部)より日本人 女性初となる「ミス・ユニバース・ジャパン」の運営権を取得し、ナショナルディレクターとして 任命される。女性の強さ世界へ広げるミス・ユニバースブランドのさらなる向上と共に、日本の美 しさを世界に広める活動を開始。 2019年8月自身初めてのミス・ユニバース日本代表を決定する日本大会「2019ミス・ユニバース ®ジャパン ファイナル」を開催。書類選考からオーディションを通過した約50名のセミファイナリ ストに対し約4か月に渡るレッスンにを実施、それぞれの個性や魅力を最大限に引き出す独自の レッスンや、ステージの演出を行う。

また、「トータルライフスタイル ビューティースクール (MYbeauty school)」も開校し、ミ ス・ユニバース・ジャパン候補生やモデル等のトレーニングだけでなく、すべての女性に向けて 「世界でたった1人、自分だけが持つ美しさに出会う」レッスン等も実施。

ミス・ユニバース公式ウェブサイトはコチラ

MY beauty school公式ウェブサイトはコチラ

活動履歴

◇講師/イベントオーガナイザー ・“World Class Beauty Academy”:ビギニングコース・アドバンスコースメイン講師 ・“avex life design lab”:メイン講師 全3日間 ワールドクラスに輝く女性になるための3つのルール ・“Ines Style”:ビューティー、ヘルス、ファッションイベント企画運営 ・“2013 Miss沖縄”ビューティー、ヘルス、ファッションアドバイザー/トレーニング ・“2012 Miss Universe Japan”ビューティー、ヘルス、ファッションアドバイザー/トレーニング ・“MARIA.H 2011 Collection”:ファッションショー企画運営
株式会社MY group
◇TV ・2018年12月11日:NHK BSプレミア「美と若さの新常識」 ・2019年 3月 19日:NHK BSプレミア「美と若さの新常識」(総集編スタジオゲスト) ・2019年4月~ : NHK BSプレミア「美と若さの新常識」 美と若さの連続企画 「とうとう30歳 玉ちゃんのキレイになりたい」 https://www.nhk.or.jp/beautyscience-blog/2019/999 (4月9日/4月16日/6月18日/7月16日/8月27日/9月24日/10月22日放送 現在企画進行中) ・2019年 6月 7日:TBS 「ビビット」 (密着ビビットコーナー:ミス・ユニバース・ジャパン密着取材第1弾) ・2019年7月15日 :CX「所ジャパン」 ・2019年 7月 26日:TBS 「ビビット」 (密着ビビットコーナー:ミス・ユニバース・ジャパン密着取材第2弾) ・2019年 8月 23日:TBS 「ビビット」 (密着ビビットコーナー:ミス・ユニバース・ジャパン密着取材第3弾) ※スタジオ生放送出演 ・2019年8月31日:NTV「マツコ会議」(ミス・ユニバース・ジャパンOG会企画) (2019年8月31日~美馬寛子密着動画配信)~) ・2019年10月10日:NTV「若林・ノブ・秋山の揃いも揃って言ったコト」 ・2019年10月19日:NTV「マツコ会議」(ミス・ユニバース・ジャパン密着取材)
◇新聞・雑誌 ・2019年2月28日:産経新聞「病と生きる」 ・2019年10月15日号:THE BIG ISSUE
◇WEB ・2017年10月~.s channel 「ワールドクラスへようこそ」(https://lulucos.jp/by-s/channel/18) ・2019年2月27日「Sankei Biz」(https://www.sankeibiz.jp/econome/news/190227/ecb1902271223004-n1.htm)