夢を信じ続けてくれた家族 ファイナルには、日本人の母とドイツ人の父もベトナムへ駆けつけた。日本代表を目指していた時も、今回ドイツ代表として挑戦した時も、変わらず夢を応援してきた家族。長い挑戦を支えてくれた家族への思いを聞いた。 ー 世界大会にはご両親も現地まで応援に来てくださったそうですね。大会後、どんな言葉をかけてもらいましたか? ゆりあさん:大会直後は、もっと上に進みたかったという悔しさがありました。そんな時、父が改めて「TOP40は本当にすごい結果だよ」と言ってくれたんです。すでに分かっていた結果なのに、家族から改めてそう言ってもらえたことで、自分が成し遂げたことを少し客観的に受け止められた気がします。両親は最終的な順位にかかわらず、「よく頑張った」とずっと肯定してくれました。その存在には本当に救われました。 ー おばあさまは、Miss World Germanyとして世界大会へ出場することを、どのように受け止めていましたか? ゆりあさん:祖母は今回、本当に喜んでくれました。実は私が小さい頃、母と祖母が冗談で「いつかこの町のミスになったらいいね」と話していたんです。当時は家族の何気ない会話でした。それが何年も経って、まさかMiss World Germanyとして世界大会に出場するところまでつながるとは、誰も想像していませんでした。世界大会が始まると、祖母は自分でYouTubeの見方を覚えて、ファッションショーなども見てくれていたそうです。そこまで興味を持って一つひとつ追いかけてくれていたことが、本当にうれしかったです。 ー 長い間、挑戦を支えてくれたご家族へ、今改めて伝えたいことはありますか? ゆりあさん:一番伝えたいのは、「ずっと信じ続けてくれてありがとう」ということです。もう一度挑戦したいと思いながら、現実的には難しいと感じたり、「また同じ結果になるのではないか」と迷ったりしたこともありました。それでも家族は一度も「もう諦めたら」とは言わず、私がもう一度挑戦する可能性をずっと自然に受け入れてくれていました。 夢自体は自分のものですが、それを信じてくれる家族がいることは、自分が思っている以上に大きな力になります。今回、世界大会のステージに立てたことは私自身の夢であると同時に、長い間一緒に見守ってくれた家族とも共有できた夢だったと思っています。本当にありがとうと伝えたいです。 写真:ご本人提供 世界大会のその先へ 姉妹のように仲良しのルームメイトのオランダ代表 写真提供:ご本人 Miss Worldという一つの夢を叶えた今、次に見据えているのは、その経験をどう未来につなげていくか。SNSでの発信、自身の事業、社会貢献、そして日本とドイツをつなぐこと。これからについて聞いた。 ー 世界大会を終えた今、これから挑戦したいことを教えてください。 ゆりあさん:今は、まず1年間、自分の可能性を信じて、自分のやりたいことに挑戦してみようと思っています。SNSでの発信も続けたいですし、自分の事業にも力を入れたい。日本とドイツをつなぐことも、根本にあります。 私は昔から一つのことだけに絞るのがあまり得意ではないんです。でも今は、それも自分らしさなのかなと思っています。今回、Miss Worldという一つの夢を叶えられたことも、「自分を信じてみよう」と思える大きな力になりました。まずは自分を信じて、どこまで行けるのか挑戦してみたいです。 突然のインタビューにも動じない、ゆりあさん。 4年前の自分へ「焦らなくていい」 最後に聞いたのは、4年前の自分への言葉だった。Miss World Japanで準グランプリに選ばれた後、会社員として働き、SNSで発信し、社会貢献活動を続け、ドイツで大学院へ進んだ。一見するとMiss Worldから離れていたようにも見える時間も、今振り返れば、その一つひとつが世界大会へとつながっていた。 ー 4年前、Miss World Japanで準グランプリに選ばれた当時の自分に、今のゆりあさんが言葉をかけるとしたら? ゆりあさん:まずは、「本当におめでとう」と言ってあげたいです。あの時の私は、あの時の自分にできるベストを尽くしていました。そして、もう一つ言うなら、「焦らなくていいよ」ですね。当時はタイトルをいただけたことがうれしい一方で、「じゃあ次は何をすればいいんだろう」と、自分の将来を考え直した時期でもありました。でも今振り返ると、焦って何か一つを選ばなくてもよかった。 会社員として働きながらSNSを始めて、社会貢献活動も続けて、大学院へ進んで。そうやって一つひとつやってきたことが、今、全部つながっていると感じています。自分のペースで一つずつ続けていけば、やってきたことはいつかつながっていく。だから4年前の自分には、「大丈夫だよ。焦らなくていいよ」って言ってあげたいです。そして、「この先、ちゃんと世界大会にも行けるよ。すごく楽しい経験が待っているよ」って伝えてあげたいですね。 4年前から続いていた、ひとつの物語 4年前、Miss World Japanで準グランプリに輝いた一人の女性を、BPMは取材した。それから会社員として働き、学び、発信し、社会活動を続け、国を越えて再びMiss Worldへ。Miss World Germanyとして世界大会に立った今回、その4年間は決して空白ではなかったことが分かる。 毎日走ってきたこと。発信を続けてきたこと。人前で話す経験を重ねてきたこと。社会の中で「居場所」について考え続けてきたこと。一つひとつがつながり、世界大会での彼女をつくっていた。 そして、ハーフとして長く向き合ってきた「私はどこに属しているのか」という問いにも、世界大会で一つの答えが生まれた。 「私は100%ドイツ人で、100%日本人」 世界大会TOP40という結果の先に残ったのは、順位だけではない。 世界各国の女性たちとの出会い、自分を信じて積み重ねることの意味、そして、ずっと夢を信じてくれた家族への感謝。 4年前、日本で始まったMiss Worldへの挑戦。その歩みはドイツへ、そして世界へとつながった。 そして今、ゆりあさんはまた、新しい一歩を踏み出そうとしている。 ゆりあ(Julia Kuehnle)PROFILE Miss World Germany 2026。日本人の母とドイツ人の父を持ち、アメリカ生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。Unileverでの勤務経験を経て、ドイツ・Frankfurt School of Finance & Management大学院MBA課程に在学。起業、SNS発信、社会活動などにも取り組む。 Miss World 2026世界大会ではTOP40入り。European Head-to-Head Challenge Winner、European Multimedia Challenge Winner、Sports Challengeランニング部門世界2位。 Beauty With a Purposeでは「Belonging Beyond Borders」を掲げ、誰もが自分らしく「居場所」を感じられる社会を目指して活動している。 ページ: 1 2 3